スマホゲーム「モンスト」でミクシィ返り咲き 株価上昇続く

2014年08月03日 19:27

 ミクシィ<2121>の株価が上昇を続けている。本業の交流サイト事業では苦戦を強いられているが、スマートホン向けゲームアプリ「モンスターストライク(モンスト)」のヒットにより収益が急増。モンストとは、育てたモンスターを自分の指で引っ張って敵モンスターにぶつけて倒すというRPGゲームだ。最大4人で同時プレイが可能で学生から社会人まで幅広く支持されている。

 交流サイト事業で成功を収めていたミクシィだが、TwitterやFacebookなどの人気に火が付くとともに業績が悪化し、広告売上高の減収などにより苦境に立たされることとなった。さらに2011年6月に行った「足あと機能」の停止はユーザーの反発を招き、利用者離れを加速させることとなった。13年には足あと機能を復活させるなど迷走を続けるも収益は改善せず、12年3月期第3四半期には連結最終利益が前年同期比61.6%減、14年3月期の連結業績においても純利益で2億2,700万円の赤字となっている。

 モンストは13年10月より提供が開始されたが、配信後2カ月で早くもミクシィの株価が急上昇するという現象が発生。スマホ向けゲームの中でも大ヒットとなった「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」のようにモンストも大ヒットすると見込んでの買い注文が殺到していた。予想は見事的中し、モンストはパズドラを超えるハイペースで利用者が増加。配信開始後から1か月に100万人ペースで増え続け、ついに1,000万人を突破した。5月からは台湾で提供を開始し、中国の騰訊控股(テンセント)でもモンストの公式サイトが開設され、近く正式に配信が始まる予定だ。利用者数は今後も衰えることなく伸び続けることが予想されている。

 基本的には無料で遊べるゲームだが、アイテム購入により有利にゲームを展開することができる課金制度を採用している。15年3月期の連結売上高は前期に比べ3.3倍の400億円が見込まれており、うち300億円がモンストの課金による利益に当たる。純損益においては60億円の黒字が予想されている。6月24日に新社長に就任したのはモンストの開発を主導した森田 仁基氏だ。モンストヒットによって持ち直したミクシィを成長軌道に乗せられるかどうか、これからが腕の見せ所だろう。(編集担当:久保田雄城)