2月に発売が開始されたソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション(PS)4」、そして9月4日に国内での発売を予定している米マイクロソフトの「Xbox One」、こうして人気ハードの発売の開始やアナウンスにより盛り上がりをみせているゲーム市場であるが、しかしそうしたなか、かつてはゲーム機会社の代名詞的存在であった任天堂<7974>の勢いに陰りが見え始めている。
30日、任天堂が2014年4月~6月期の連結決算を発表。それによれば、売上高は前年同期比8.4%ダウンの746億円で、営業損益は前年同期の49億円赤字に続いて94億円の赤字、最終損益は前年同期の86億円黒字に対して99億円の赤字であったことがわかった。ここのところ販売が伸び悩んでいる携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の不振が響いた結果となった。家庭用ゲーム機「Wii U」については販売台数が新作ソフトの投入などにより持ち直し、前年同期の3.2倍の51万台となったものの、「ニンテンドー3DS」のマイナス分を補うまでには至らなかった。
「ニンテンドー3DS」の本体の販売台数は前年同期の140万台に対して82万台、ソフトは前年同期の1101万本に対して857万本とそれぞれ前年同期を大きく下回った。「Wii U」については本体の販売台数が前年同期の16万台に対して51万台、ソフトが前年同期の103万本に対して439万本と、それぞれ前年同期を上回る結果となった。
また通期の業績予想については、連結売上高は前期比3%アップの5900億円、連結業績損益は前期の464億円の赤字に対して400億円の黒字を予想。4期続く営業赤字を黒字に転換させるとの目標を掲げている。
また任天堂は、ゲームと連動させたフィギュア「amiibo(アミーボ)」の投入により「Wii U」の販売に拍車をかけ、そして人気ソフトを投入することにより「ニンテンドー3DS」の販売の巻き返しを図るとしている。
ゲームと言えば、任天堂。そうしたかつての勢いを取り戻すことができるのかどうか、今後の動向に注目したい。(編集担当:滝川幸平)