ソニーの新規事業、ソニー不動産が営業を開始

2014年08月04日 07:48

 はたして、ソニー<6758>の業績回復の足がかりとなるか? 1日、ソニーの100%子会社であるソニー不動産は、東京・銀座で1号店の営業を開始したとの発表を行った。このソニー不動産はソニーの新規事業の1つであり、今年の4月に設立された。

 ソニー不動産では、個人が不動産を売買する時に発生する仲介手数料をこれまでにはなかった方法で算出するとしている。どのような方法かというと、かかった分だけの仲介手数料を算出するという考えにもとづき、成約価格だけでなはなく、顧客に提供する各種サポートの内容に応じて仲介手数料を変動させるとしている。それにより、高額物件を購入するほど仲介手数料は安くなる。また売り手を買い手の代理人をそれぞれ立てるなど、「仲介手数料の細かな料金体制」と「取引の分かりやすさ」の両面を押し出し、他の不動産会社との差別化を図りたい考えだ。

 本来、不動産会社の仲介手数料は、成約価格に対して一定の率を設けることが一般的だが、しかしソニー不動産はこうした「業界の慣習」とは別の料金体制を打ち出した。広告費、交通費などの売却までにかかった費用をもとに顧客に実額を請求する。またその費用の内訳についても、顧客に開示するとしている。もし売却物件が5000万円であった場合、法定上限の仲介手数料は156万円だが、ソニー不動産の料金体制によると、これよりも数十万円程度安くなる。またより質の高いサービスを求める顧客に対しては金額が上がるものの、法定限度額は超えないとしている。

 またソニー不動産はアメリカ型代理人制度を導入するとしており、物件の売却は売却専門の「売却エージェント(代理人)」が担当し、また物件の購入については購入専門の「購入エージェント」が担当し、それぞれサポートを行う。こうして売る側と買う側それぞれに専門の代理人を設定することで、互いのニーズに特化した公平なサービスの提供を行っていくとしている。

 業績不振が続くソニーは新規事業の拡充に注力しており、このソニー不動産もその一環である。ソニーはこのソニー不動産の売り上げを、5年後には500億円にするとの目標を掲げている。(編集担当:滝川幸平)