天然ガスは輸入量増でなく価格と円安の影響

2014年08月04日 08:39

 自民党の河野太郎副幹事長は貿易赤字を伝えるマスコミ報道が「燃料輸入の増加が主因」など「原発停止で輸入量が増加しているかのように伝えているが事実は違う」と量的増加でなく、天然ガス価格の上昇と円安影響によるものと誤解を生まない報道を求めている。

 河野氏はこの中で「財務省が発表した2014年上半期の貿易収支は7兆5983億円の赤字で、半期では過去最大の赤字になった」としているが、これを伝える報道は「あたかも原発が停止したために天然ガスの輸入量が増え、貿易赤字が膨らんだかのように思える」と危惧する。

 そして天然ガスの過去1年の四半期毎の輸入量を提示。13年1月―3月は2349万4000トン、4-6は1991万3000トン、7-9は2124万4000トン、10-12は2284万トン、14年1-3は2373万4000トン、4-6は2052万8000トン。13年第2四半期と14年第2四半期を比較すると3%の増だとしている。

 一方、金額ベースでは13年第2四半期は1兆6712億9653万9000円、14年第2四半期は1兆7928億321万9000円で、7%増加した。

 また天然ガス価格を2011年3月と2014年5月時点で比較すると価格で45.7%上昇。為替レートも当時1ドル81円79銭だったが、円安から今年5月101円79銭。この結果、天然ガスの円建て価格が81%上昇したと説明。「天然ガス価格の上昇とそれに輪をかけた円安のおかげで円建てのガス価格が上昇し、貿易赤字が増えた」と強調する。(編集担当:森高龍二)