【日経平均】まぼろしのSQ値とGPIFに助けられ72円高

2014年08月07日 20:13

 清水建設<1803>は後場に4~6月期決算を発表し、経常利益43.3%増、純利益2.3倍の大幅増益。12円高で年初来高値を更新した。大手ゼネコン4社は大成建設<1801>だけが減益決算。青木あすなろ建設<1865>は後場上昇しストップ高の86円高で年初来高値を更新し値上がり率2位に入った。

 国際石油開発帝石<1605>は4~6月期の最終利益が75%増で21円高。日本触媒<4114>は4~6月期の純利益が46%減で70円安。東レ<3402>は後場に4~6月期決算を発表し、営業利益19%増、経常利益12%増、純利益11%増の2ケタ増益だったが、営業利益が市場予測並みで4.6円高どまり。ウィルス感染管理製品の大幸薬品<4574>は102円高。アフリカでの「エボラ出血熱」の流行、死者続出が背景で、富士フイルムHD<4901>も後場上昇し売買代金11位に入り159円高と買いを集めた。エボラ出血熱に対応できるバイオハザードキャビネットを手掛ける日本エアーテック<6291>も買われ、ストップ高の80円高で年初来高値を更新し値上がり率1位になった。

 機能性ヨーグルトが好調な明治HD<2269>は4~6月期の営業利益が14%増の107億円で市場予測の87億円を大きく上回り、野村證券が目標株価を引き上げ860円高で上場来高値を更新し値上がり率4位。ヤクルト本社<2267>も250円高で上場来高値を更新した。カルビー<2229>は120円高で年初来高値更新。「JPX日経400」の採用候補で買いを集め、めでたく採用。アサヒGHD<2502>は前日、12月期通期見通しの営業利益を40億円、経常利益を55億円、純利益を20億円それぞれ上方修正した。「アサヒスーパードライ・ドライプレミアム」が計画を上回り、「クリアアサヒ」も好調で14期連続最高益更新だが6.5円安だった。

 三菱商事<8058>は後場に4~6月期決算を発表。資源分野の採算悪化が響き純利益16.9%減の減益決算で13.5円安。埼玉県の食品スーパーのヤオコー<8279>は510円高で年初来高値を更新し値上がり率7位。反動減をはね返す4~6月期の2ケタ増収増益を評価して野村證券が目標株価を引き上げた。ヤマダ電機<9831>は「格安スマホ」に参入して17円高。月額3047円で、中国のファーウェイ(華為)の機種を採用しLTE通信もサービスするという。

 ゼンショーHD<7550>は前日、通期の売上高、営業利益を下方修正し、前期11億円の黒字だった最終損益の13億円の赤字転落見通しを発表した。41億円の黒字から54億円の大幅下方修正で、69円安で年初来安値を更新し値下がり率11位。要因は牛丼店「すき家」で人手不足で一時営業休止店舗が出て売上が落ちたことと、問題視される深夜の一人勤務の解消にコストがかかるため。牛丼並は20円値上げして税別270円にする。

 三井不動産<8801>は4~6月期の営業利益は27%増、経常利益は31%増と発表したが42.5円安で5日続落。三菱地所<8802>は9.5円高。住友不動産<8830>は2時30分に4~6月期決算を発表し、経常利益は2.2%減ながらプラスに浮上し33円高で終えた。東京都心部オフィス賃料が16663円で前月比+0.34%にとどまったのが影響したか、不動産セクターはこの日もマイナスだった。

 新興市場は2時台の活況に出遅れ、日経ジャスダック平均は0.04%下落、東証マザーズ指数は0.21%下落。ミクシィ<2121>は下落幅が一時10%を超えて495円安、日本通信<9424>も103円安だった。

 この日の主役はゲーム関連のコロプラ<3668>とスクエニHD<9684>。コロプラは売買代金2位、スクエニHDは同5位と買われた。コロプラは新作「白猫プロジェクト」が3日に300万ダウンロードを突破と発表。4日で100万上乗せのハイペースで270円高で値上がり率15位に入った。スクエニHDは4~6月期決算を発表し営業利益が7.4倍に急拡大。営業損益の中間期見通しを「赤字20億円~黒字20億円」のレンジから、「黒字40億円~70億円」のレンジに上方修正し、161円高で値上がり率10位に入った。

 しかし他のゲーム関連銘柄は、LINE関連でもあるマーベラス<7844>は大幅減益決算を発表し売買代金9位と売り込まれ228円安で値下がり率1位。DeNA<2432>は4~6月期の最終利益が61%減で、92円安で年初来安値を更新し値下がり率10位。Klab<3656>は中間期の減収減益見通しを嫌気され売買代金15位で89円安と、業界内でも業績で明暗が分かれていた。

 秋に上場を予定するLINEは前日、国内のスマホ向けゲーム開発会社を支援するために9月に最大100億円の投資枠を設定すると発表した。今後5年間で10社以上にゲーム開発資金を提供して優れたゲームを発掘し「LINEゲーム」として自社配信するという。当たれば大きい「ジャパニーズドリーム」が見られる場所に、才能は集まる。(編集担当:寺尾淳)