渡辺喜美前みんなの党代表が「復帰宣言」 国会欠席を許し合う国会議員

2014年08月16日 10:43

画像・渡辺喜美前みんなの党代表が「復帰宣言」 国会欠席を許し合う国会議員★

国会議員の仕事とは何だろうか。それは第一に国会に出席し、国の予算決めや法律づくりをすることである。それでは、国会議員がその「仕事」を休み続けた場合、私たちはそれを認めるべきなのだろうか。

 国会議員の仕事とは何だろうか。それは第一に国会に出席し、国の予算決めや法律づくりをすることである。それでは、国会議員がその「仕事」を休み続けた場合、私たちはそれを認めるべきなのだろうか。8月10日、これまで「体調不良」を理由に国会を欠席し続けていたみんなの党の渡辺喜美前代表が地元栃木県矢板市で開かれた同党のタウンミーティングに出席し、支持者の前で「復帰宣言」をした。渡辺氏は「元気を取り戻すことができた」と述べ、周囲には9月に召集が予定される臨時国会への出席を匂わせている。

 化粧品製造販売会社社長からの借り入れの問題でみんなの党代表を辞任した今年4月から、渡辺氏は公の場にほとんど姿を見せていなかった。ほぼ4か月間「公人」としての仕事を休んでいたことになる。1月24日から6月22日まで開かれていた第186回国会の後半も欠席していた。

 一般企業で事前の通告もなく4か月間仕事を休めば何らかのペナルティがあるのは当然だろう。それでは、国会議員の場合、渡辺氏のように国会を欠席したら議員の給料である歳費の額への影響や何らかの懲罰はあるのだろうか。国会法は第十二章で「請暇及び欠席」について定めている。しかし、その中身を見てみると欠席中の歳費についての記述はなく、事実上の有給休暇となっている。日数の制限も定められていない。

 国会を欠席する議員は渡辺氏のみではない。例えば、石原慎太郎衆議院議員は1月から5月までに開かれた24回の本会議のうち15回欠席をしている。全開催日のうち63%を欠席した計算になる。さらに、本会議を休んだ日に宴席には出席しそれを公にしているが特に懲罰なども為されていない。昨年の参議院議員選挙前には議員総数の3分の1を超える議員が欠席届を出し、議場が目に見えてがらがらになっていたこともあった。

 このような国会議員の現状には一般の感覚からすれば違和感を持たざるを得ないが、この欠席届について改革は提言されていない。国会議員同士が欠席を許しあっているのが現状だ。渡辺氏が代表を長く努めたみんなの党は改革政党であったはずだ。「復帰宣言」などしている前に、自らも含めた欠席の問題を取り上げてほしい。この問題こそ、改革が望まれている。(編集担当:久保田雄城)