「遺産の寄付=遺贈(いぞう)をしたい!」人6割 10代で顕著

2014年08月16日 11:43

 6割以上の人が、自分に資産があるならば遺贈したいと考えていることが国境なき医師団日本の調査でわかった。

 将来自身が大きな資産を保有していた場合、社会の役に立てるために遺産(の一部)を寄付(=遺贈)したいと思うか聞いたところ、「遺贈をしたい」が11.3%、「遺贈してもよい」が49.3%となった。合わせて60.6%の方が「遺贈に前向き」な姿勢を示していることになる。年代別にみると、「遺贈に前向き」なのは全世代で60.6%、10代で74.7%、20代で61.4%、30代で57.1%、40代で60.7%、50代で58.4%、60代で51.2%。10代が突出して高く、その他の世代はまだら模様となっている。

 遺贈に前向きな606名に対し、遺贈の使途を尋ねたところ、「人道支援(飢餓、病気、貧困に苦しんでいる人々への医療・食料支援など)に」が56.3%と最も高く、次いで「災害復旧支援に」が44.7%となった。以下、「医療技術の発展に」と「教育・子育て・少子化対策に」がともに30.4%、「環境保全に」が24.3%、「動物愛護に」が22.4%となった。

 遺贈に関して問題となるのが遺族の存在である。故人が遺贈を行った場合、当然ながら遺族への遺産分配は減少することになる。もし自身の親が遺贈を希望したら、遺族の立場として遺贈に賛同するかを聞いたところ、「賛同する」(「賛同する」と「どちらかといえば賛同する」の合計)は70.3%となり、「賛同しない」(「賛同しない」と「どちらかといえば賛同しない」の合計)の29.7%を大きく上回った。親の希望を尊重し、遺贈に賛同すると考えている人が多いようである。

 今回の調査はあくまでも、「もし将来大きな資産を保有していたら」という仮定のもとに行われているため、実際の遺贈行為の調査とはいえないが、多くの人が可能であれば人道支援や災害復興のために自己の資産を役立てたいと考えていることがわかった。

 調査は、15~69歳の男女1000名を対象に「遺贈に関する意識調査2014」としてインターネット上で行われた(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)。調査期間は、2014年7月17日~22日の6日間。 (編集担当:堺不二子)