グリー、ヒット作に恵まれず2期連続で減収減益

2014年08月16日 11:03

 スマートフォン(多機能携帯電話)向けゲーム「モンスターストライク」のヒットにより、mixi<2121>(ミクシィ)がその業績を大きく回復させる一方、同じくスマートフォン向けゲームを手がけるグリー<3632>は2014年6月期の決算が2期連続で減収減益となり、苦戦を強いられている。スマートフォンの普及率の伸びに伴い急成長を遂げたスマートフォンゲーム業界ではあるが、順調に成長を遂げる企業、復活を遂げる企業、そして業績に苦しむ企業など、その明暗が色濃く分かれ始めてきた。

 13日、グリーが14年6月期決算を発表。それによれば、売上高は前期比17.5%ダウンの1255億円、営業利益は前期比28.0%ダウンの350億円、純利益は前期比23%ダウンの173億円という結果であり、2期連続での減収減益となった。mixiの「モンスターストライク」、またガンホー<3765>の「パズル&ドラゴン」のようなヒット作を生み出せなかったことや、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)向けゲームの課金収入の減少などが、減収減益の要因となったとみられている

 また、15年6月通期の連結業績予想については明らかにせず、14年7~9月期の連結業績予想のみを発表。それによれば、売上高は前年同期比26&ダウンの260億円、営業利益は44%ダウンの55億円、純利益は37%アップの33億円と予想している。通期の業績予想を発表しない理由についてグリーは、インターネット環境の変化が激しいため、当社グループの業績も短期的に大きく変動する可能性があるため、としている。

 今後グリーはこうした2期連続での減収減益という状況を改善すべく、ウェブゲームからネイティブゲームへとそのシフトを変化させるとしている。ネイティブゲーム事業の人員を今の300人規模から1000人規模へと拡大させ、また開発ラインも10ラインから20ラインへと強化させ、巻き返しを図りたい考えだ。

 グリーが巻き返しを図るためには、前述の「モンスト」や「パズドラ」のようなヒット作を生み出すことが不可欠である。どんなゲームがヒットするかは水物なところもあるが、それなくしてはグリーの業績回復は望めないだろう。編集担当:滝川幸平)