【日経平均】お盆以下の薄商いの中、4.26円高で6日続伸

2014年08月18日 20:13

 前週末15日のNYダウは50ドル安、NASDAQ総合指数は11ポイント上昇。鉱工業生産指数が市場予測を上回り序盤は上昇した。ところが「ウクライナ軍が国境を越えたロシアの装甲車を砲撃」という一報が地政学的リスクの小康状態を打ち壊し、「軍事衝突に発展か?」と緊張が走って一時は130ドルを超える下落だったが、事態はそれ以上拡大せず徐々に値を戻した。株価の行方が政治家と将軍たちの手に握られた8月。戦死やあわれ。兵隊の死ぬるやあわれ。東京エレクトロン<8035>との経営統合を控えたアプライド・マテリアルズは決算が市場予測を上回り6.3%上昇。百貨店のノードストロームは逆に下回り5.2%下落。18日朝方の為替レートはドル円102円台前半、ユーロ円137円近辺で円高は一服していた。

 15日のCME先物清算値は15315円。週末に米軍はイラク空爆を拡大し、日本人がシリアでイスラム過激派に拘束されたニュースも入るが、日経平均は0.16円高の15318.50円で始まる。TOPIXもプラス。しかしすぐにTOPIXを伴ってマイナスに落ち、前日終値付近の数円幅でプラスとマイナスを行ったり来たりする小動き。状況が動いたのは午前9時13分頃からで、25日移動平均線15331円を突破し9時30分に15365円まで上昇するが、10時までもたず前日終値近辺に戻り、10時26分には15303円まで下落するが15300円は割り込まない。香港は下落、上海は続伸で始まり、日経平均はおおむね15330~15340円で推移し前引けは15329円だった。

 後場はほぼ前引け水準で始まり、午後0時台にはマイナスになる時間帯もあったがすぐプラスに戻す。その後はおおむね15320~15340円の幅の中で動く。マイナスにはならないが手がかり材料難で25日移動平均線を突破して上値を追うこともできない。その状況が1時台も2時台も続いて大引けになり、終値は4.26円高の15322.60円で6日続伸したが25日移動平均線を上回れずに終えた。日中値幅は62円。TOPIXも+0.58の1271.26で6日続伸したがJPX日経400は2日続落。売買高は15億株、売買代金は1兆3612億円で、なぜかお盆の15日よりも少なかった。

 東証1部の値上がり銘柄数は1026で全体の56%を占め、値下がり銘柄数は636。33業種別騰落率は17業種が上昇、16業種が下落でほぼ拮抗。プラスのセクターの上位はその他製品、鉱業、医薬品、空運、石油・石炭、建設など。マイナスのセクターの下位は金属製品、不動産、ゴム製品、水産・農林、精密機器、非鉄金属などだった。

 日経平均採用225種は値上がり91銘柄、値下がり122銘柄。プラス寄与度1位は中外製薬<4519>で+20円、2位は東京エレクトロンで+11円。マイナス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で-13円、2位はファナック<6954>で-8円だった。

 メガバンクにアジア進出のニュース。三井住友FG<8316>傘下の三井住友銀行は9月にカンボジア最大手アクレダ銀行に資本参加し筆頭株主になると報じらた。邦銀大手がカンボジアの銀行に出資するのは初。三井住友FGは30円安。三菱UFJ<8306>傘下の三菱東京UFJ銀行はスリランカ投資庁と業務提携し、進出を目指す日系企業への情報提供やセミナーの開催を行うと報じられた。三菱UFJは1.1円高。カンボジアもスリランカも内戦が終結し地政学的リスクが低下した後は経済が成長軌道に乗っている。血を流しているうちは経済発展は望めない。みずほ<8411>は0.2円安。証券業界も東海東京FHD<8616>が8月中にタイの証券大手ブアルアン証券と業務提携すると報じられたが5円安。野村HD<8604>も3.4円安で証券セクターは不振だった。アコム<8572>はクレディスイスがレーティングを引き下げて14円安で値下がり率7位だった。

 トヨタ<7203>とホンダ<7267>が2014年のタイでの新車販売計画を下方修正し、トヨタは16円安、ホンダは9円安。高級オーディオブランド「テクニクス」を4年ぶりに復活させるパナソニック<6752>は1.5円安、ソニー<6758>は3円高、シャープ<6753>も3円高だった。経営再建中のイタリアのフィンメカニカ社傘下の車輌製造、鉄道信号2社の買収を検討中と報じられた日立<6501>は0.3円高だった。

 小糸製作所<7276>は三菱UFJ証券が目標株価を引き上げ123円高で年初来高値更新。東京エレクトロンは12月に経営統合予定のアプライド・マテリアルズの好決算、15日の株価上昇を受けて290円高。航空電子<6807>は三菱UFJ証券が目標株価を引き上げて90円高。アクセル<6730>は9月中間期と通期の業績見通しを上方修正し、通期営業利益見通しは3億円引き上げて113円高。パチンコ・パチスロ機向けのメモリモジュール製品の売上が計画を大幅に上回る見通し。

 建設セクターは、JR東海<9022>が近いうちに環境アセスメントの最終版を示しリニア中央新幹線の着工が10月から9月に前倒しされるという新聞報道があり支援材料になった。大成建設<1801>は三菱地所<8802>、日本空港ビル<9706>と連合で仙台空港の運営権公募に応募したニュースがあり12円高。大林組<1802>は25円高、清水建設<1803>は14円高、鹿島<1812>は7円高で、以上大手ゼネコン4銘柄は年初来高値を更新していた。