今やすっかり市民権を得た「草食系男子」。2008年に流行し始めた当初は、異性との関係にガツガツしない、優しい男子を指していたが、マスコミなどが頻繁に取り上げる課程で「恋愛に消極的な、頼りない男子」との印象も広まってしまった。「最近の若者は草食系で元気がない」と批判されることも多い。
異性に対して消極的なタイプを草食系というなら、「草食化」しているのは若い男性ばかりではない。「国立社会保障・人口問題研究所」のデータ(2010年)では、30代男性の4割、40代男性の25%は未婚だ。女性よりも男性の方が、未婚率は高い。もちろん「未婚率の上昇」には経済的な要因も絡んでくるので一概には言えないが、日本の男性は全体的に、パートナーとのつきあいに対して積極的ではないようだ。
クロス・マーケティングが、日本、中国、ロシア、シンガポール、ブラジルの20~49歳の男女1500人を対象に行った調査では、「(デートをするような)パートナーがいない」と答えた日本人男性は19%と最多だった。「デート相手がいない」男性は、日本と同じように少子化が深刻なシンガポールでも12%と高い。一方、中国では1.3%、ロシアは4%、ブラジルに至っては0.7%と、ほとんどの男性にパートナーがいるようだ。
また、「デートの際に食事代は誰が払うか」聞いたところ、「ほとんど自分が支払う」割合が最も高いのは中国人男性(82%)。次いでロシア(79%)、シンガポール(66%)、ブラジル(63%)と続く。日本人男性は59%で、5カ国の中では最も低かった。「割り勘」の割合は、ブラジル(29%)に次いで高い26%。さらに、「デートの食事代はほとんど相手が支払う」と答えた日本人男性は11%と、5カ国の中で最も多かった。
日本の男性は「デートする相手がいない」割合が他国と比べて顕著に高く、いたとしても「割り勘」など、対等につきあう傾向が強いのだろう。こうした傾向についてクロス・マーケティングでは、「日本人男性はやっぱり草食化」しているとコメントしている。(編集担当:北条かや)