6月といえば「ジューン・ブライド」が有名だが、実はこの時期、結婚式を挙げるカップルはそれほど多くない。「リクルート ブライダル総研」が昨年公表したデータによると、挙式が集中するのは例年、4月と5月、10月と11月。6月は上から5番目だ。「ジューン・ブライド」の誘引はそれほど大きくない。
結婚式をめぐるトレンドは、昔と比べて大きく変わっているわけではない。だが「結婚」それ自体をめぐる状況は、ここ10数年で様変わりした。「婚活」が定番化する一方、男性の9.4%、女性の6.8%は「一生結婚するつもりがない」と考えている。「異性の友人も交際相手もいない」独身者は少しずつ増え続け、半数以上にのぼる(国立社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査」)。
国勢調査のデータでは、30~34歳女性の3人に1人が独身、30~34歳男性の2人に1人が独身だ。一口に30代前半といっても、「独身」「結婚して子供がいる」「結婚したが子供はいない」「離婚した」など、様々な立場の男女がいる。そんな中、友人・知人から結婚式の招待状をもらった女性たちの胸の内では、複雑な思いが交差する。
リクルートのポンパレモールが、全国の都市部に住む20~30代の女性500名に対し、「結婚式の招待状が届くとどんな気持ちになりますか?」と複数回答で尋ねたところ、1位は「嬉しいけれどまたお金が掛かる」(50.9%)だった。2位以下は「嬉しい気持ち」(41.7%)、「幸せな気持ち」(35.6%)、「ワクワクする」(27.9%)と続くが、5人に1人は「面倒くさい」「嬉しいけど新しいドレスを新調しなければ」「お金がない」と答えている。これから結婚式の準備を進める新婦にとっては、あまり喜ばしくない結果だろうか。
だが、昔のように多くの女性が「20代半ばまでに結婚、30歳までに第一子出産」というライフコースをたどるわけではない。様々な立場の招待客に、「結婚式は嬉しい、楽しい」と思ってもらうのは、少々無理があるのかもしれない。(編集担当:北条かや)