メルセデス・ベンツ史上で“最も美しいクルマ”と表現する「AMG GT」が遂にベールを脱いだ。
ユーザーが毎日通勤などに使うスポーツカーとして開発されたAMG GTは、SLS AMGのフロントマスクを思わせる特徴的なフロントグリルが与えられている。2013年に生産が終了したSLSよりも大きなラジエターグリル、特徴的なLEDヘッドライト、流麗なウィンドウシェイプとピラーレスドア、そしてフロントフェンダーに設けられたエアアウトレットがメルセデスのスポーツカーを主張する。ルーフラインもSLSに比べてファストバックな形状に仕上げられたロングノーズ&ショートデッキとされ、車体サイズは全長4640mm×全幅1940mm×全高1260mmだ。
リアには電動可変スポイラーが備わり、LEDを左右それぞれ18個配置したスレンダーなテールランプが配される。ホイールは19インチが標準で、上級グレードのAMG GT-Sには前19/後20インチが設定されている。
キャビンの意匠はすでに公開されていたが、スポーティながらメルセデス流のラグジュアリーな雰囲気だ。フラットボトムデザインのステアリング、ワイドな設計のセンターコンソールには8.4インチのインフォテインメント・ディスプレイが装備される。シートはハーフレザー仕様。ヘッドアップコンソールにはシートヒーターやハザードランプ、可変リアスポイラーなどの操作スイッチがレイアウトされる。
AMG GTのパワートレーンは4リッターV型8気筒で、最高出力462ps/600Nmにトランスアクスル搭載のデュアルクラッチ式7速トランスミッションを組み合わせ、0-100km/h加速は、わずかに4秒。最高速度は304km/hでリミッターが動作する。
一方、AMG GT-Sは最高出力510ps/650Nmのツインターボエンジンを搭載。3.8秒の0-100km/h加速と310 km/hの設定。
ボディモノコックは軽量化策が講じられ、高張力鋼板に加えてアルミニウム、マグネシウムなど使用し、結果AMG GTの車重は1540kgに抑えられた。
メルセデスAMG GTは機械式リアデフを標準装備し、上級モデルのAMG GT-Sは電子制御式リアデフを備える。さらに後者のAMG GT-Sには走りを追求したAMG RIDE CONTROLと呼ぶ電子制御サスペンション装備し、快適性を重視したコンフォートからスポーツ、スポーツプラスといった3種類のサスセッティング選択が可能となる。
また、AMG GT前後360mmサイズのディスクブレーキローターはベンチレーテッド・ドリルド・ディスク。AMG GT-Sのフロントブレーキは、さらに大径の390mmローターと真紅に塗られたキャリパーを装着する。また、オプションでカーボンセラミック製のフロント402mm/リア360mmのディスクを選択できる。一般公開は10月4日開催のパリ・サロンか。日本上陸は未定。(編集担当:吉田恒)