株式会社ウェザーニューズの調査によると、全国の半数以上が8月は「長雨・大雨」だったと感じていることがわかった。同社は今年の夏を一般の人がどのように感じていたか調査するため、全国のウェザーリポーターの協力のもと、8月20日~25日、9月2日に“夏の振り返り調査”を実施した。合計7万5199人のウェザーリポーターによる回答を分析した。その結果、全国の半数以上が8月は「長雨・大雨」だったと感じていることがわかった。西日本ほどその傾向は強く、「猛暑」や「ゲリラ雷雨」の印象が強く残っている人は約2割だった。
また、8月の暑さを「猛暑」と感じている人は関東に限り、他の地域では普通の暑さだったと認識されているという。35℃以上の猛暑日は関東で多かったことから、人の身体も温度計のように暑さの違いを感じているとしている。
具体的には、スマホアプリ『ウェザーニュースタッチ』内のウェザーリポーターに“8月の印象は?”と質問し、「長雨・大雨」「猛暑」「ゲリラ雷雨」「少雨」から選択してもらった。全国1万2315人から寄せられた回答を集計した結果、「長雨・大雨」と感じていた人が54%、「猛暑」が21%、「ゲリラ雷雨」が18%、「少雨」が7%となり、全国の半数以上の人にとって「長雨・大雨」が最も印象深いことがわかった。
都道府県別では、1位香川、2位高知、3位鳥取、4位佐賀、5位長崎となり、中国・四国・九州で「長雨・大雨」と答えた人が8割以上と高い割合を占めた。中国・四国・九州で割合が高い理由としては、前線や台風の影響による長雨や、高知・三重・広島など各地で大雨に見舞われたことが影響していると考えられるとしている。
これらの地域では、8月の降水量の平年比が350%を超えており、特に、高知では平年より1200mm以上も多く降ったことが影響し、「長雨・大雨」の印象が強い人が9割以上という結果となった。一方、「猛暑」と回答した人は全国的に少なく、唯一、関東だけで高い割合を占めた。全国3000カ所に設置した気象観測機「WITHセンサー」を用いて、昨年8月との温度を比較したところ、去年より温度が高かった地点は北日本と東日本の一部に限られた。関東は、平年と比べて特別高かったわけではないが、平年より降水量が少ない地域が多かったことや、猛暑日が続いたことから「長雨・大雨」だけでなく「猛暑」の印象も強く残ったと考えられると分析している。
また、今年の夏、熱中症になったかどうかについては、熱中症になった人はわずか13%、なっていない人が87%であることが判明した。「熱中症になった」と回答した割合が最も高かったのは、徳島県で5人に1人が「熱中症になった」と答えた。8月の熱中症患者の人数が昨年より約1万人少なかったことからも(総務省消防庁)、今年は昨年よりも熱中症になった人が少なかったと言えそうだ。理由としては、平年よりも8月の気温が低い地域が多かったことが挙げられる。また、昨年の夏のような猛烈な暑さを想定し、熱中症に対する対策をしっかりととっていた人が多かったことが考えられるとしている。(編集担当:慶尾六郎)