【今週の振返り】SQ週のアノマリーを粉砕し279円上昇した週

2014年09月13日 20:13

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Q週は先物の仕掛け売りでボロボロ……。それが今年8回中7回もあったのに、たった1回で「狼少年」の烙印が押される?

 5日のNYダウは67ドル高、NASDAQ総合指数は20ポイント上昇。S&P500は史上最高値を更新した。アメリカの雇用統計は非農業部門雇用者数が14.2万人増で7ヵ月ぶりに増加が20万人を下回り、7月の20.9万人増も市場予測の22.5万人増も大きく割り込んだ。失業率は7月比0.1ポイント改善の6.1%で市場予測と同じ。ダウは安く始まったが、ウクライナの和平協議でウクライナと親ロシア派の代表が軍事行動を停止する停戦合意書に署名したというニュースが入ると徐々に値を戻しプラスに浮上した。8日朝方の為替レートはドル円が105円台前半、ユーロ円が136円台前半で、前週末の水準をほぼ維持していた。

 取引時間前に4~6月期の国内総生産(GDP)改定値が発表され、速報値の年率換算6.8%減から0.3ポイント低下して7.1%減で市場予測の7.0%より少し悪い。1~3月期に比べ1.8ポイント下落。原因は設備投資の落ち込みで、速報値の2.5%減から5.1%減へ大幅に悪化した。7月の経常収支は4167億円の黒字で2ヵ月ぶりの経常黒字だが市場予測よりも下。貿易収支は8281億円の赤字だった。

 それでも為替のドル円は105円台を保ち日経平均は49.45円高の15718.13円で始まる。TOPIXもプラス。午前9時2分に15730円まで上昇するが、急落して9時25分にマイナス圏の15656円まで下げ、TOPIXも一時マイナス。そこからV字回復し9時台のうちに15700円台を回復するが、10時台に入ると為替の円高が進行してドル円は一時的に105円割れし、日経平均も再びマイナスにタッチ。しかしTOPIXはプラスを保つ。上海市場は中秋節の祝日休場、香港市場は下落で始まる。中国の8月の貿易収支は498.3億ドルの黒字で市場予測を上回った。日経平均は10時台後半には値を戻し、11時台は15700円よりも上に行ったり下に行ったりを繰り返した末、前引けは15695円だった。

 後場は前引けとほとんど同じ水準で再開し、午後0時台は15680~15700円のレンジのもみあいが続く。1時台になると下落し何回かマイナスにタッチするが底堅い。2時に8月の景気ウオッチャー調査が発表され、天候不順の影響で現状判断指数は47.4で前月比3.9ポイント低下し4ヵ月ぶりの悪化。先行き判断指数は50.4で前月比1.1ポイント低下し3ヵ月連続悪化だった。内閣府は基調判断据え置き。それでも為替が円安方向に振れたため2時台の日経平均は尻上がりに値を戻し、大引け前に15700円台を回復して終値は36.43円高の15705.11円で3日ぶりに反発した。GDP改定値もほぼ市場予測通りで、日経平均の上値は抑えたものの終値をマイナスにするほど下押し圧力は強くはなかった。日中値幅は74円。TOPIXも+5.43の1298.64で3日ぶり反発。売買高は5日ぶりに20億株を割り込み17億株、売買代金は1兆5240億円と少なかった。

 プラスのセクターの上位はその他金融、電気・ガス、建設、情報・通信、機械、銀行など。マイナスのセクターの下位は鉱業、サービス、空運、その他製品、ゴム製品、石油・石炭などだった。

 週明け8日のNYダウは25ドル安。NASDAQは9ポイント上昇。住民投票前の世論調査で独立派が多数を占め新たなリスク要因「スコットランドの独立」が浮上し、英国ポンドが売られヨーロッパ市場も軟調。9日朝方の為替レートはドル円が5年11ヵ月ぶりの106円台に乗せて106円近辺、ユーロ円が136円台後半で、前日から円安が大きく進行した。

 取引時間前に7月の第三次産業活動指数が発表され、前月比横ばいの98.2。日経平均は90.71円高の15795.82円で始まる。TOPIXも1300円台に乗せてスタート。しかし15800円にタッチすることはなく「寄り天」で下落しておおむね15770~15790円のレンジで小動きする状況が続き、為替レートも動かない。日経平均を引っ張るのは前日に引き続いてソフトバンク<9984>と、円安メリットを受ける自動車、ゴムなどの主力株。香港市場は休場だが連休明けの上海市場は上昇スタート。しかしドル円レートが一時的に106円を割り込んで10時50分頃から日経平均は下落開始。10時52分に15746円まで下げた後、15750円前後でもみあった後、11時18分に15736円の安値を取る。TOPIXも一時1300割れ。前引けは少し戻して15752円で前場を終えた。

 昼休み中にドル円レートが急に円安方向に振れ、後場は15768円で再開し15780円付近まで上がるが、そこから上値を追えず「寄り天」の高値更新も15800円台乗せもできずに15780円近辺でのもみあいが1時45分頃まで続く。為替に変化はなくても15750円近辺まで下げて2時の8月の消費動向調査の発表を迎える。消費者態度指数は前月比で0.3ポイント低下して41.2で、内閣府は消費者心理の基調判断を「持ち直している」から「持ち直しのテンポが緩やかになっている」に下方修正した。しかし日経平均は下げ止まって逆に15770円付近まで上昇。しかし終盤では下押しされてTOPIXは安値引け。日経平均は44.04円高の15749.15円と続伸したが、為替のドル円が前日より約1円も円安だったので「この程度か」というところ。日中値幅は59円と小さかった。TOPIXは+0.98の1299.62で1300を割って終了。売買高は18億株、売買代金は1兆7629億円だった。