【日経平均】後場の下落も中途半端で39円高で今週全勝

2014年09月12日 20:12

 21世紀の幕開けを暗黒に突き落としたあの出来事から13年後の「9月11日」のNYダウは19ドル安と反落。NASDAQ総合指数は5.29ポイント上昇した。前日夕方にノーベル平和賞受賞者のオバマ大統領がシリア領も含めた「イスラム国」への空爆を発表したのに続き、EUが12日からの対ロシア追加制裁発動を発表しアメリカも同調。13年たっても世界の政治も経済も地政学的リスクにもまれ続ける。新規失業保険申請件数は市場予測よりも悪く、ツイッターはCB発行を発表し希薄化懸念で0.5%下落。アップルは0.4%続伸。黒田日銀総裁は前日に「2%の物価目標実現へ何でもやる」と追加金融緩和に言及し「現在の円の水準が経済にマイナスとは考えない」とも発言。為替レートが「クロダ乱高下」する局面もあったが、12日朝方はドル円が107円近辺、ユーロ円が138円前半で、円安は後戻りしていなかった。

 CME先物清算値は15835円。株価指数先物もミニ先物もオプションも全て特別清算指数が算出される「メジャーSQ」の日の日経平均は24.16円安の15885.04円で始まる。TOPIXもマイナスでスタート。今週4連騰していてSQ値が出るまで「高値波乱」かとも思われたが、9時5分に日経平均がプラスに浮上するのとほぼ同時にすんなり、15915.98円とかなり高めのSQ値が出た。今年だけでなくアベノミクス相場で最高のSQ値。秋相場は日経平均がこれより上ならいいが、下になったら上値の天井になってしつこく押し返される恐れがある。もっとも「まぼろしのSQ」は最初から消滅している。9時台にいったんマイナスをつけた後は尻上がりのパターンで、10時までに15940円台に乗せ、10時33分に15979円まで上昇する。ドル円レートは107円台前半を維持。上海、香港市場はマイナスで始まり、日経平均の上昇も一服しておおむね15960円台で小動き。11時台はやや上振れる時間帯もあったが、前引けは15970円だった。

 後場は15984円で高値を取って再開し、16000円の大台乗せの期待高まる。1時間ほどは15970円前後の高い水準を維持していたが、1時30分頃からついに下落が始まった。その時間に7月の鉱工業生産指数確報値が発表され、速報値が0.2ポイント上昇だったのに対し0.4ポイント上昇の97.0。製造工業の稼働率指数が0.8ポイント低下して98.1だったものの、改善にもかかわらずの下落は3連休前の金曜日はいつもより利益確定売りがきつくなるということか? 2時を回るとマイナスまで下落するが、そこからV字回復してプラスに戻す。終盤は15930円付近で推移し大引け直前に上昇。終値は39.09円高の15948.29円で今週5勝全勝、前週末5日の終値15668.68円から279.61円上昇して今週の取引を終えた。前日に引き続き主力大型銘柄中心の上昇だった。日中値幅は99円。TOPIXは+2.48の1313.72でこれも5戦全勝。売買高は27億株、売買代金は3兆1194億円でメジャーSQらしい大商いが戻っていた。

 東証1部の値上がり銘柄数765よりも値下がり銘柄数は913のほうが多い。33業種別騰落率は値上がり15業種、値下がり18業種。プラスのセクター上位は輸送用機器、医薬品、機械、電気・ガス、倉庫、銀行など。マイナスのセクター下位は石油・石炭、建設、海運、空運、鉱業、証券などだった。

 日経平均採用225種は値上がり107銘柄、値下がり105銘柄と拮抗。プラス寄与度1位は来週のアリババ上場だけでなくiPhone6人気も好材料のソフトバンク<9984>で+21円、2位はアステラス製薬<4503>で+9円。マイナス寄与度1位はファナック<6954>で-5円、2位は日揮<1963>で-2円だった。

 みずほ<8411>0.4円高、三菱UFJ<8306>3.3円高、三井住友FG<8316>22.5円高。この日、シティバンク銀行が行った個人部門売却の1次入札には以上3メガバンクと、8.6円高のりそなHD<8308>、0.1円高の三井住友トラストHD<8309>、売買高8位で7円高の新生銀行<8303>が応札した。野村HD<8604>は2.5円安で証券セクターは業種別騰落率最下位になった。

 輸送用機器セクターは業種別騰落率トップ。自動車大手はトヨタ<7201>は85円高、ホンダ<7267>は23.5円高、日産<7201>は1.5円高で年初来高値更新、富士重工<7270>は80.5円高で年初来高値更新、三菱自動車<7211>は2円高、7年ぶりに全面改良した「デミオ」の発売を発表したマツダ<7261>は値動きなし。国内メーカーの小型車で初のディーゼル車もあり安価な軽油1リットルで30キロ走れる。自動車部品関連ではクレディスイスがベアリングのNTN<6472>、ジェイテクト<6473>とエンジンチェーンの椿本チエイン<6371>のレーティングを揃って引き下げた。NTNは9円安、ジェイテクトは7円高、椿本チエインは13円安で終えた。

 電機大手のソニー<6758>は22.5円高で年初来高値更新。パナソニック<6752>は値動きなし、シャープ<6753>は1円安、日立<6501>は5.9円高、東芝<6502>は1.9円安、NEC<6701>は1円安。パイオニア<6773>は2015年3月をめどにAV機器子会社とオンキヨー<6628>本体を経営統合させることで合意と発表し2円安。オンキヨーは15円高だった。コネクターだけでなくパナソニックと提携して車載情報機器なども手がける本多通信工業<6826>は4~9月期の純利益が36%増の見通しで35円高で年初来高値を更新した。

 情報セキュリティ関連のデジタルアーツ<2326>は前日の新家工業<7305>と同じく「株式新聞1面注目株」で41円高。そんな材料は個人投資家の参加増を裏付ける証拠。しかし新家工業は一夜明ければ20円安で値下がり率1位。1日限り有効の好材料だった。福島第一原発の事故について当時の所長の「吉田調書」が公開された東京電力<9501>は1円高。建設資材関連のPS三菱<1871>は「2017年3月期で営業利益30億円」の目標を打ち出したが7円安。東洋インキSCHD<4634>は、3月期通期のROE(自己資本利益率)が8%に改善する見通しで9円高。「JPX日経400」の採用基準の一つのROEは今や株主重視の経営を目指す企業にとって一番気になる業績指標になっている。