【日経平均】ドル円107円タッチで120円高15900円台乗せ

2014年09月11日 20:18

 10日のNYダウは54ドル高で3営業日ぶりに反発。NASDAQは34ポイント上昇した。市場予測を下回った7月の卸売在庫や長期金利の上昇を受け午前中は17000ドルを割り込んで軟調だったが、午後はハイテク系を中心に買い戻しが優勢。アップルは投資判断の引き上げが相次ぎ3.1%上昇したが、前日発表した決済サービス「アップルペイ」と競合するイーベイは3.1%下落。リンクトインは1.0%、フェイスブックは1.0%、ツイッターは4.5%それぞれ上昇。この3銘柄はUBSが投資判断を引き上げた。マイクロソフトは0.2%上昇。敵対的TOBを発表したダラー・ゼネラルは0.4%上昇し「略奪婚」のお相手ファミリー・ダラーも0.2%上昇。11日朝方の為替レートはアメリカの長期金利が上昇してドル円が106円台後半、ユーロ円が138円近辺と円安の勢いとどまるところを知らず。

 CME先物清算値は15930円。取引時間前に法人統計景気予測調査の結果が発表され、大企業全産業の景況判断指数(BSI)は7~9月期は+11.1、10~12月期は+9.9で、4~6月期の-14.6から大幅に改善をみせた。また、正午から安倍首相と黒田日銀総裁が約5ヵ月ぶりに会談するという情報が流れていた。

 日経平均は92.13円高の15880.91円と15800円台後半で開始。TOPIXも1310を超えて始まった。午前9時22分に15854円まで下げた後、9時41分には15900円を突破して15905円の前場の高値をつける。その後は10時30分まで15880~15890円のレンジで小動き。10時30分に発表された中国の8月の消費者物価指数(CPI)は+2.0%で7月から減速し、8月の生産者物価指数(PPI)は-1.2%で30ヵ月連続のマイナス。オーストラリアの8月の失業率は7月から0.3ポイント低下し6.1%で市場予測より良かった。中国市場は上海も香港も揃ってマイナスで始まりながらプラスに浮上するパターン。日経平均は水準を少し下げて15870円前後でもみあう。11時発表の8月の東京都心5区のオフィス空室率は7月から0.18ポイント低下して6.02%と順調。正午からの安倍・黒田会談待ちのムードもあり、横ばいのままに前場を終了し前引け値は15864円だった。

 昼休みの安倍・黒田会談では足元の景気判断などについて意見を交換したと伝えられたが、黒田総裁は安倍首相から追加緩和の要請はなかったと話した。後場は前引け水準で始まりマーケットへの影響は特になし。午後0時59分には再び15900円台に乗せて15913円まで上昇し、1時台にはさらに水準を上げて1時25分に15925円の高値をつける。その後もおおむね15900円台はキープ。2時14分にドル円レートは5年11ヵ月ぶりに107円台にタッチ。ユーロ円は138円台前半。しかし日経平均は15900円そこそこに張りついたまま上昇する気配も下落する気配もない。それがメジャーSQ直前の現実。そのまま大引けになり120.42円高の15909.20円で4日続伸して15900円台に乗せた。日中値幅は71円。TOPIXは結局、始値が高値の「寄り天」で+4.45の1311.24だった。売買高は21億株、売買代金は2兆904億円でともに大台乗せ。売買代金は6営業日ぶりの2兆円台だった。

 値上がり銘柄817よりも値下がり銘柄840のほうがわずかに多いがほぼ拮抗。上昇した業種は22、下落した業種は11。プラスセクター上位は情報・通信、保険、電気・ガス、銀行、輸送用機器、証券など。マイナスセクター下位は建設、空運、倉庫、小売、食料品、陸運などだった。

 日経平均採用225種は値上がり149銘柄、値下がり64銘柄と差がつき、主力株中心に上昇した日だった。プラス寄与度1位はソフトバンク<9984>で+27円、2位はファーストリテイリング<9983>で+18円。マイナス寄与度1位はアサヒGHD<2502>で-3円、2位は花王<4452>で-2円だった。

 みずほ<8411>は0.9円高、三菱UFJ<8306>は8.9円高、三井住友FG<8316>は65円高、野村HD<8604>は7.2円高。ノンバンクのアイフル<8515>は売買高6位、売買代金9位の22円高で値上がり率13位、アコム<8572>は18円高で同15位と買われた。自動車大手は好調で、トヨタ<7203>は48円高、ホンダ<7267>は36円高、マツダ<7261>は36円高、スズキ<7269>は109円高で年初来高値更新。自動車用オイルシール首位のNOK<7240>は三菱UFJ証券がレーティングを引き上げ44円高で年初来高値を更新した。

 ソニー<6758>は「クラウドテレビ」についてバイアコムと番組配信で合意したという材料があり売買代金6位で56円高になり年初来高値更新。東芝<6502>は売買高7位と買われ6.4円高、パナソニック<6752>は6円高。OKI<6703>は4~9月中間期の見通しを上方修正し、営業利益は30億円を60億円に改めると売買高2位、売買代金11位に入り17円高で値上がり率6位。営業利益2倍はサプライズで、純利益55億円は過去最高。プリンタとともに中国でのATM事業の好調が寄与した。通期見通しは据え置き「現在精査中」。半導体検査装置のアドバンテスト<6857>は79円高で年初来高値を更新し値上がり率9位と買いを集めた。