スパイシーなモルト「TALISKER STORM」の多彩な愉しみ方を東京国立博物館「法隆寺宝物館」で披露

2014年09月14日 19:19

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東京・上野の東京国立博物館にある「法隆寺宝物館」で行なわれたイベントで個性派モルト「TALISKER STORM」愉しむ人々。

 古代ノース語(ヴァイキングの言葉)で「翼の形をした島」を意味するスカイ島のタリスカー蒸溜所は1831年に創業。スカイ島の西岸に位置し、島で唯一の蒸溜所である。1900年に拡張し、1928年まで3回蒸溜を行なっていたと記録されている。その後、通常の2回蒸溜法に転換し現在に至る。タリスカー蒸溜所のポットスチルは独特な形状で、なかでも初溜器はメインネックから直角に突き出した「ワーム・タブ」と呼ばれるコイル状の冷却器を備えていて、蒸溜初期のアルコールをスチルに乾留させる仕組みになっている。近代的な冷却器に比べて独特で充実したスパイシーなフレーバーを生み出すとされる。

 タリスカーの独特の味わいを生み出すのは、原料である本土から運ばれてくるグレンオード産の麦芽と熟成樽にもありそうだ。樽はすべてリフィール樽で、グレーンウイスキーを3年詰めた後の樽でタリスカー原酒を貯蔵する。

 スタンダードなタリスカーは海を思わせる香りがあり、スモーキーでスパイシーな味わいを持つ。力強い舌ざわりのなかにカラメルやハチミツの甘さを感じる。わずかに加水するとレーズンバターのようなコクとハーブのインパクトが姿を現す。時間とともに味わいが変化する複雑系のモルトウイスキーといえる。

 今回、タリスカーのイベントは東京・上野の東京国立博物館の「法隆寺宝物館」で行なわれた。いつものことだが、タリスカーのイベントのロケーションには驚かされる。以前は、東京スカイツリーの下にある「墨田水族館」を貸し切ってテイスティング・パーティ開催したこともある。

 今回のイベントでは、昨年10月に発売された熟成年表示のないノノンエイジ「TALISKER STORM(タリスカー・ストーム)」だけを使った多彩なカクテルを提供。カクテルレシピは「日比谷BAR」のスタッフがコラボレーションして提案した。「タリスカー・ストーム」は、海を思わせる香りとスパイシーな味わいがより強調されたボトルだが、当日のカクテルは多彩だった。タリスカーをソーダとトニックウォーターで半々に割り、モロッコの調味料塩レモンをトッピングした「in The Storm」や「TAKISKER STORM MARTINI(ストーム・マティーニ)」などが供された。

 なかで、シンプルで自宅でも楽しめそうなハイボールが良い感じだったので紹介する。これは、スモーキーでピーティなモルトウイスキーにお勧めの飲み方だ。

 タンブラーに氷を詰めてタリスカーを注ぐ。ソーダ(お好みのブランドで)を注いで普通にハイボールをつくる。そこに黒胡椒をペッパーミルで2ショットだけトッピングして軽くステアして完成。スパイシーな「タリスカー・ストーム」を手軽に酒肴なしで楽しめる飲み方だと思う。休日の午睡を誘う酒としてぴったりだと思った次第。

「タリスカー・ストーム」のアルコール度数は45.8%、40.0%のモルトが多い中で、このあたりの設定も刺激的だ。(編集担当:吉田恒)