【日経平均】突然の円高でも地震でも騒がないが36円安

2014年09月16日 20:14

 12日のNYダウは61ドル安で17000ドル割れ。NASDAQ総合指数は24ポイント下落した。ロシア制裁発動に加え、小売売上高の上昇ペースが速く利上げ早期化警戒感も出た。週明け15日のNYダウは43ドル高で3営業日ぶりに反発し17000ドル台を回復したが、NASDAQ総合指数は48ポイント下落した。13日発表の中国の鉱工業生産が5年8カ月ぶりの低い伸びで発電量も低下し、固定資産投資や小売売上高の伸びも減速。FOMC前の様子見ムードも影響しNYダウはマイナスで始まったが、午後はプラスに浮上した。「iPhone6」「iPhone6 Plus」の予約が開始24時間で400万台を超えiPhone史上最高と発表したアップルは0.03%下落、人気ゲームを開発したスウェーデンのモージャン買収を発表したマイクロソフトは1.0%下落、ツイッターは5.2%下落、フェイスブックは3.7%下落しNASDAQは続落。アリババ上場を控えた換金売りか? 16日朝方の為替レートはドル円は107円台前半、ユーロ円が138円台後半で、円安もちょっと踊り場。

 CME先物清算値は15840円。前週5日続伸して3連休明けの日経平均は52.23円安の15896.06円で始まる。TOPIXもマイナスでスタート。すぐに下げ幅を圧縮し、午前9時台はおおむね15900円を超えて推移する。TOPIXは1310オーバーを維持。9時48分に15926円まで上昇するがプラスにはならない。10時30分を回り、香港市場は台風接近で午前中の取引が中止、上海市場はマイナスで始まり、為替のドル円が円高に振れて106円台になると日経平均も15900円を割り込み、安値を更新しながら下落する。TOPIXも1310を割る。10時46分に15875円で底を打ち、11時台はドル円も107円台を回復して15900円の少し下で小動きし、前引けは15895円だった。

 後場再開2分前に茨城県南部が震源の最大震度5弱の地震があり、先物とドル円は下落し日経平均現物も再開直後に15871円の安値をつけたが、すぐに前引け水準を取り戻し15900円台も回復。午後1時に8月の首都圏マンション販売動向が発表され、7ヵ月連続マイナスの49.1%減。契約率は69.6%で好・不況の分かれ目の70%を19カ月ぶりに下回った。日経平均はしばらく15900円前後で膠着していたが、1時40分すぎから為替のドル円が円安方向に動くのと同調して上昇し1時54分に15938円と前日終値にあと10円まで迫る。しかしプラス浮上はならず、2時台の日経平均は15920~15930円のレンジで小動きする。FOMC待ちにスコットランド待ち。いったん15910円台まで下げた後、終盤は15930円台に上昇するが大引けで押し下げられ、36.76円安の15911.53円と12日のメジャーSQ値15915円を割り込んで終え6営業日ぶりに反落した。日中値幅は67円。TOPIXは-2.86の1310.86で1310台は確保した。売買高は18億株、売買代金は2兆317億円で3営業日連続で2兆円台に乗せた。

 東証1部の値上がり銘柄数は878で値下がり銘柄数の802より多かった。33業種別騰落率は10業種が上昇し23業種が下落。プラスのセクター上位は情報・通信、空運、精密機器、卸売、水産・農林、小売など。マイナスのセクター下位は不動産、保険、ゴム製品、銀行、非鉄金属、ガラス・土石などだった。

 日経平均採用225種は値上がり66銘柄、値下がり149銘柄。プラス寄与度1位はソフトバンク<9984>で+34円と孤軍奮闘。NY上場は19日とみられるアリババの仮条件価格が60~66ドルから66~68ドルに引き上げられ、マーケットから吸収する資金が2兆6800億円に増加した。2位は信越化学<4063>で+4円。マイナス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で-12円、2位は東京エレクトロン<8035>で-8円だった。

 オーストラリアのケアンズで開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議で、国際展開する巨大銀行の自己資本比率を現行の2倍近い最低16~20%に引き上げることが示された。日本では3メガバンクで合計10兆円規模の新規調達が必要と報じられた。みずほ<8411>は2.8円安、三菱UFJ<8306>は7.3円安、三井住友FG<8316>は59.5円安と揃って下落した。野村HD<8604>は1.8円安。大和証券G<8601>は8.5円安。

 トヨタ<7203>はインドネシアの工場に生産ラインを増設して戦略車の6~7人乗り多目的車(MPV)の車種を増やすと報じられ2円高。三菱自動車<7211>も約600億円を投資して2017年にインドネシアに新工場を建設しMPVの生産を始めると報じられたが12円安。インドネシアの自動車市場は今年、タイを抜いて東南アジア最大になると見込まれている。ホンダ<7267>は37円安、日産<7201>は0.5円安、富士重工<7270>は23円安、デンソー<6902>は68円安と自動車関連銘柄はおおむね不振だった。

 一方、電機大手はおおむね好調で、2015年にスマートカー向けの半導体に参入すると報じられた東芝<6502>は3.2円高。ソニー<6758>は36円高で年初来高値更新。日立<6501>は値動きなしだったが、富士通<6702>は13円高。パナソニック<6752>は太陽光、二酸化炭素(CO2)、水からメタンやエタノールなどの燃料をつくる「人工光合成」で、生産量が従来の5倍の世界最高の変換効率を実現する電子材料を開発したと報じられ5.5円高。植物の能力を超え、植物なしでCO2からバイオ燃料を製造できる。