東京都の未来の姿はこれでいいのか

2014年09月19日 09:07

画・東京都の未来の姿はこれでいいのか★

「東京都長期ビジョン(仮称)」の目指すべき将来像は、「世界一の都市」を実現するということだそうだ。東京で暮らす人や訪れる人全てが、「上質なサービスを受けつつ文化やスポーツに親しみながら、充実した時間を過ごすことができる」ようにするらしい。

 「東京都長期ビジョン(仮称)」の中間報告が発表された。東京都は将来こういった計画で進めていくということを明らかにした都政運営の新たな指針である。2024年までの10年の計画である。

 この「東京都長期ビジョン(仮称)」の目指すべき将来像は、「世界一の都市」を実現するということだそうだ。東京で暮らす人や訪れる人全てが、「上質なサービスを受けつつ文化やスポーツに親しみながら、充実した時間を過ごすことができる」ようにするらしい。「富を絶えず生み出していくことが不可欠」とのの認識を示し、経済面で世界一を目指すこと、世界のどこよりも上質な生活ができる都市を実現すると謳っている。経済中心でいくと宣言したわけだ。

 「東京都長期ビジョン(仮称)」の中間報告はこの将来像の実現のための「2つの基本目標」「政策全体に共通する5つの視点」「政策の方向性を示す8つの都市戦略」から構成されている。

 特徴の一つは当然というべきか、「史上最高の」オリンピック・パラリンピックの実現が中心になっているが、そのほかにも注目すべき視点がかかれている。特に都市開発だ。インフラについては、2020年をめどに、環状2号線、首都高速晴海線(豊洲~晴海間)などのオリンピック・パラリンピック関連道路を整備し、羽田空港へのアクセス強化も進められる。オリンピック・パラリンピックが開催される20年までの政策目標のひとつに、「虎ノ門地区の交通結節機能の強化」が挙げられているのも特徴的だ。虎ノ門ヒルズに隣接してバスターミナルを整備し、日比谷線の霞ヶ関駅と神谷町駅の間に新駅を設置するという。

 もう一つの特徴が掲げられた数値目標だ。例えば、保育サービス利用児童数 27万5000人(17年度末)、25~44歳女性の有業率 75%(22年)、家庭・事業所の備蓄率 100%(20年度)、「都市ボランティア」 1万人(20年)など多くの指標と数値とが掲載されている。

 地方自治の波に遅ればせながら、やっと数値目標が掲げるようになった。具体的にどれくらいの予算で、どこが担当し、数値目標の責任は記載されていない。まだまだ東京都は行政経営面では遅れているといえよう。ちなみに東京都のホームページで意見を募集している。(編集担当:久保田雄城)