今、副業として注目を浴びているのがLINEのスタンプ販売だ。LINEは5月に、スタンプを製作・販売できる「LINE Creators Market」を立ち上げた。ユーザーが自由に描いたイラストをLINEの審査を経たのち100円で販売することができ、売上のおよそ半分が製作者に分配される。
スタンプとはLINE上で利用できるイラストで、相手にメッセージを送る際に簡単な言葉や感情を表すことができる。文章だけでは伝わりにくい喜怒哀楽などのニュアンスを、ユーモアを交えて伝えることができるとして人気だ。
同社の報告によると、スタンプの販売総額はLINE Creators Marketの開始後から8月7日までのわずか3ヶ月ほどで12億3,000万円にまで膨らんだ。クリエイターとして登録しているのは世界124カ国の14万9,000人で、登録されたスタンプは3万セットを超える。購入されたスタンプ数は1,241万セット。販売金額が上位10位のスタンプの平均販売額は2,230万円で、上位30位が1,290万円、上位100位が650万円、上位200位で410万円となっている。売上の半分が製作者に渡ることを考えると、1,000万円以上の収入を手にしたクリエイターが複数人存在するということになる。
このスタンプ製作に関してLINEが実態調査を実施した。スタンプを販売している893人を対象にアンケートを行ったところ、製作者の50.6%がこれまでデザインに関して勉強したことがないことが分かった。製作者は女性が55.8%で男性よりも多く、年齢別に見ると最年少が10歳、最年長が63歳で、25~29歳の人が25.3%と最も多かった。
現在LINEを利用する人は、日本国内のスマートフォン加入者数に相当する5,000万人にものぼり、スタンプ送受信回数は1日あたり18億回以上にもなる。スタンプ製作は今後競争が激しくなることも予想されるが、それでも一攫千金は夢ではないかもしれない。関係者はコツとして、公式スタンプとは異なる価値や利用方法を打ちだした方が売れると話している。イラストの上手さよりも面白さやアイデアを生かし、会話の中で使いやすいものが利用されやすいようだ。誰でも参加することのできるスタンプ製作は、副業としても人気を集めていきそうだ。(編集担当:久保田雄城)