消費増税法により、2015年10月には10%となる消費税。初の二桁台の消費税は、消費行動にどのような変化をもたらすのか。株式会社マーシュは、消費税に関する調査を行った。
消費税増税後の家庭内の支出について、 80.0 %が「節約している」と回答 。2014年4月以前(消費税増税前)に行われた同様の調査では70.2%が「節約していた」と回答しており、当時と比較して9.8ポイントの上昇。80%の内訳については、「増税後より節約するようになった」17.7%、「増税前と変わらず節約している」50.5%、「増税前は節約していなかったが節約するようになった」11.8%となっている。増税が契機となり、節約意識が高まっている様子がうかがえる。
2015年10月の消費税10%への増額の前に、「まとめ買いしたり駆け込みで購入したい商品はありますか」と尋ねたところ、「する(『絶対にする』と『する予定である』『おそらく、すると思う』の合計)でもっとも多かったものは、トイレットペーパーやティッシュペーパーといった「衛生用品(42.8%)」。ついで、「洗剤(41.9%)」、シャンプーやリンス、ソープといった「ヘアケア、ボディケア(38.5%)」、「化粧品(33.8%)」。8%への増税がなされた2014年4月時と同様に、日用品が上位にあがった。
一方で、駆け込みが少なく、買い控えが想定されるものもある。 2015年10月増税後の12月以降も購入を控えるものでは、「ファッション衣料品(20.2%)」が最多。ついで、「時計・宝飾品(18.5%)」、「家具・インテリア(16.5%)」、「家電製品(15.2%)」、「お菓子(15.0%)」となった。
年後の収入予測について尋ねたところ、 2015年10月増税後の買い控えについて1年後の収入見通しが「減ると思う」と答えた人のほうが「増えると思う」と答えた人よりも、買い控えする傾向が見られた。特に、「お菓子」「ビール類」で買い控えの傾向が高くなっている。
今回の調査からは全体的に、「必須である日用雑貨品は買いだめし、ぜいたく品は買い控える」という財布の紐引き締めモードにあることが分かる。「ついこの間8%にあがったばかりなのに」と思う人もいるかもしれない。しかし、1年後には10%への増税が待っている。対象は、全国、20代~60代の男女個人、週に1回以上自分自身で買い物をする人600人(内男性300人、女性300人)。調査機関は、2014年9月10日~9月11日。(編集担当:堺不二子)