フォード、マツダの共同生産拠点であるタイ合弁工場のフォードが使用していた生産設備をマツダに譲渡することが決まった。マツダは2018年までに生産能力を10万台程度まで引き上げ、小型車のMAZDA2(日本名「デミオ」)などを生産する
マツダと米フォード・モーターとの提携関係が、またひとつご破算となった。タイで行なっていた両社の乗用車生産における協業関係を解消する。
両社で最後まで残っていた共同生産拠点である折半出資のタイ合弁工場「オートアライアンス タイランド」のフォードが使用していた生産設備をマツダに譲渡することが決まったという。マツダは現在、この工場で年間5万台のクルマを生産しているが、フォードから設備を譲り受けることで、生産能力を倍増させる。
フォードから生産設備を譲り受けるマツダは、2018年までに生産能力を10万台程度まで引き上げる計画で、小型車のMAZDA2(日本名「デミオ」)などを生産する予定。
マツダではエンジン生産も視野に入れており、現地生産したモデルはマレーシアなどの周辺国へ輸出する。エンジン組立生産設備などを含めた2018年までの現地総投資額は300億円にのぼるという。
フォードは1979年にマツダに25%出資し、筆頭株主になった。1980年代から両社はグローバル展開を協働で進め、プラットフォームの共用やパワーユニットの開発、新型トランスミッションなどの開発・生産に取り組んできた。
フォードからマツダへ役員を派遣し、マツダが低迷した1990年代にはフォードが米国人CEOを派遣し、マツダの舵取りをした時代もあった。しかし、2012年には中国で共同出資して行なっていた合弁生産を解消し、2014年春に米国内での合弁事業も解消。今回のタイでの協業解消で両社の提携関係はますます希薄になる。
マツダはフィアット&クライスラー・アライアンス傘下のイタリア・アルファロメオと共同で、9月4日に世界3拠点で同時発表する新型スポーツカー「マツダ・ロードスター」の開発・生産で提携している。(編集担当:吉田恒)