LINE、講談社・小学館らと提携しマンガ海外配信

2014年10月10日 08:09

 今の時代、マンガは必ずしも紙媒体で読まれるとは限らない。電子書籍、あるいはスマートフォン(多機能携帯電話)で読まれることも少なくない。しかし、ある程度の年齢以上の人にとっては、まだまだマンガ(あるいは、小説なども)は「指でページをめくりながら読むもの」であり、電子書籍やスマートフォンで読むことに抵抗を感じることも多いだろうだが、しかし確実に時代は変わりつつある。今の若い世代にとっては、マンガは「紙や、電子書籍・スマートフォンで読むもの」であり、筆者を含む「ある程度の年齢以上」の人間がいくら抵抗感を示そうとも、そのデジタル化の波は止まることはないだろう。
 
 そしてこのデジタル化の波は、国内だけでなく海外にも波及しようとしている。無料通話アプリ「LINE」を運営するLINE株式会社は8日、講談社や小学館などと資本業務提携を結び、海外のスマートフォンユーザーに向けて、年内にもマンガのデジタル配信を開始するとの発表を行った。去年から国内で有料・無料配信している「LINEマンガ」を海外でも展開する。まずは講談社や小学館などが提供する作品を英語圏、台湾向けに翻訳し配信。今後はほかの言語にも翻訳し、事業を拡大していきたい考えだ。

 日本のマンガは、海外でも人気が高い。しかし海賊版が横行しているという問題もあり、これを正規ルートで配信することで、海外での収益拡大につなげたい考えだ。スマートフォン向けに海外でマンガを配信するサービスには、すでにDeNA<2432>の「マンガボックス」があるが、はたして先行する「マンガボックス」にどこまで追いつけるか、その動向にすでに関心が高まっている。

 配信される作品は、国内でも大人気の「ワンピース」や「進撃の巨人」などの翻訳作品が含まれるという。なお、DeNAの「マンガボックス」の配信作品はオリジナル作品が中心で、今回の「LINEマンガ」のように既存の人気作品が配信されるのは珍しい。この点が「LINEマンガ」の強みといえるだろう。

 日本のマンガはすでに海外で確固たる地位を獲得している。おそらく今回のデジタル配信も、多くのユーザーに受け入れられることだろう。(編集担当:滝川幸平)