注目が高まるJ-REITに新たな波。パナホームがJ-REITと初めての連携

2014年10月11日 18:22

 近年、注目を集めている投資商品の一つに「J-REIT」がある。J-REITとは上場不動産投資信託のことで、元々はアメリア発祥の「REIT」(Real Estate Investment Trust)のビジネススキームにならったもの。頭についている「J」はその日本版という意味だ。投資家から集めた資金を使用して、オフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産を購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する投資信託である。投資口は現在、東京証券取引所に上場されている11銘柄となり、J-REITが保有する物件は、オフィス、商業施設、住宅を中心に約2800件といわれている。

 登場した頃はアナリストの間でも賛否両論があったり、2011年の欧米に端を発する金融不安の影響で一時的には大きく落ち込んだものの、その後は順調に回復し、今では安定収入を得られる投資商品として認知されつつある。とくに昨年、2020年の東京五輪の開催が決まったことや、安倍政権のアベノミクスによるデフレ脱却への期待感、さらには高齢者市場の拡大などで、投資家たちのJ-REITに対する期待が高まっているようだ。

 このような状況の中、住宅大手のパナホーム株式会社は、日本最大規模の住宅特化型J-REITであるアドバンス・レジデンス投資法人(以下「ADR」)の資産運用会社ADインベストメント・マネジメント株式会社(以下「ADIM」)との間で、パナホームが保有または今後開発・保有する賃貸マンションやサービス付き高齢者向け住宅について売却情報の優先的提供に関する協定書を締結した。パナホーム側としては、ADIMと提携することで、金融機関などからの土地取得に関する情報収集を加速させ、不動産事業の拡大と強化を目論む一方、ADIMおよびADRとしてはパナホームから優先的に売却情報等を受け取ることにより、全国および全住戸タイプへの分散投資による資産規模の拡大と安定的収益確保の推進が狙いのようだ。

 パナホームは今回の連携によって新たなビジネススキームを確立させることで、基幹事業である分譲マンションの自社開発だけでなく、都市圏マンション用地の購入による収益性の高い賃貸マンションの開発や、サービス付き高齢者向け住宅の開発にも今まで以上に力を入れていく方針だ。ちなみに、2014年度中にも介護住宅や有料老人ホームなどのヘルスケア施設に特化したJ-REIT「ヘルスケアリート」の上場も予定されており、J-REITへの注目度はさらに高まりそうだ(編集担当:藤原伊織)