リクルート上場 今年最大の上場案件で注目される同社の今後

2014年10月13日 20:31

画像:リクルート上場 今年最大の上場案件で注目される同社の今後☆

10月16日にリクルートホールディングスの株式上場。売り出し価格は1株3,100円となり、時価総額は1兆7794億円で、今年最大の上場案件となる予定だ。同社は、上場に合わせて自社株を売るほか新株も発行。国内事業の基盤強化や、海外展開を加速する考えだ。

 東京証券取引所は、東京証券取引所は、リクルートホールディングスの株式上場を承認したと発表し、10月16日に上場する。売り出し価格は1株3,100円となり、時価総額は1兆7794億円で、今年最大の上場案件となる予定だ。同社は、上場に合わせて自社株を売るほか新株も発行。国内事業の基盤強化や、海外展開を加速する考えだ。

 リクルートは1960年に江副浩正氏が大学新聞の広告代理店として創業。求人広告をはじめとした情報誌ビジネスで急成長した。しかし88年には、リクルートコスモスの未公開株を巡って、政財官界を巻き込んだリクルート事件が起こる。その後、同社株式をダイエー創業者の中内功氏に譲渡する形でダイエー傘下に入ることになった。

 だが経営の建て直しが行われ、同社は再び快進撃を始めた。ゼクシィ、じゃらん、HOT PEPPER、R25など、新しい市場ニーズを掘り起こす事業を次々と成功させる。今では一般的となっているフリーターという言葉も、同社のアルバイト情報誌フロム・エーから生み出された。12年には7事業会社、3機能会社となるグループ体制へ変更し、リクルートホールディングスとなっている。

 また同社は人材輩出企業とも知られ、USENの宇野康秀氏、マクロミルの杉本哲哉氏、そしてリンクアンドモチベーションの小笹芳央氏など、新しい市場を創造する同社の文化を受け継いだ企業家を数多く生み出している。

 持ち株会社移行前の11年3月期、同社株式の筆頭株主は、リクルート社員持ち株会である。また株式を保有している社員は、OBも含めると多数に上るとのことだ。リクルートは「社員の社員による社員のための会社」であるとも言える。実際にリクルート事件の時は、社内から企業文化の変革を訴える声が上がり、同社の危機を乗り越えてきた。創業時のベンチャー精神が同社のDNAとして刻み込まれているからこそ、今日までの成長があったのだ。

 上場することにより、同社は良くも悪くも株主のものとなる。市場を通して、株主比率も現在の構成から大幅な変更を余儀なくされるだろう。同社が今後、どういった経営の舵取りを行うか注目である。(編集担当:久保田雄城)