23日のNYダウは216ドル高と大幅反発。NADSAQ総合指数は69ポイント上昇した。カナダのテロは単独犯で組織的ではないと警察が発表しリスク収束。それでも兵士とテロリストの死ぬるやあわれ。ユーロ圏の製造業PMIは50.7で市場予測を0.8ポイント上回りヨーロッパ主要市場は堅調。新規失業保険申請件数は悪化したがCB景気先行指数が市場予測を上回り0.8%上昇してカバー。主要企業決算は前日発表のAT&Tは減益で2.4%下落、GMは純利益ほぼ倍増でも1.2%下落したが、増収増益で通期利益予想を上方修正したキャタピラーは5.0%上昇、3Mは4.4%上昇、アメリカン航空は3.9%上昇など好決算がNYダウを押し上げた。24日朝方の為替レートはドル円が108円台前半、ユーロ円が136円台後半で、円安が大きく進行した。
CME先物清算値は15365円。日経平均は215.39円高の15354.35円と一気に15300円台に乗せて開始。TOPIXは1240台乗せ。午前9時15分には15377円まで上昇し、前日時点の日足一目均衡表の「雲」の下限15369円にタッチするがそこで押し返され9時38分には15300円割れ。安値を取りながら9時45分には15271円まで下落する。ドル円は108円を割り込んで円高に振れた。そこで何が起きたかというと、ギニアでの医療活動から帰国したアメリカ人医師が、エボラ出血熱感染の疑いでNYの病院に緊急搬送されて検査の結果、陽性反応が出たという第一報。「NYの地下鉄にも乗っていた」というからまたもや全米騒然で、海外勢がリスクオフして東京市場で先物売りに出た。少し落ち着いても10時台に再び下落し、10時27分に15232円で下げ止まる。上海も香港も含めアジア市場はマイナスで始まるが、ドル円は108円台に戻り日経平均も徐々に戻して11時頃に15300円に一時タッチ。前引けは15258円だった。
後場は上昇幅をひろげ再開するが15200円台後半でウロウロして15300円は回復できない。利益確定売りの金曜日でもある。それでも「日銀は、インフレ率が1%を割り込む確率が大幅に高まったとみている」とウォールストリートジャーナルが報じ、追加緩和期待が下支え。午後1時台に一度15300円にタッチし、2時30分頃にも15300円を抜いて高値を取りに行くかと思われたが、すぐにヘタれて終盤は15300円前後でもみ合う展開。終値は152.68円高の15291.64円と反発し3勝2敗、前週末17日終値から759.13円上昇して今週の取引を終えた。日中値幅は145円。TOPIXは+9.98の1242.32だった。売買高は19億株、売買代金は1兆8760億円でどちらも大台を割り込んだ。
東証1部の値上がり銘柄数は1149で全体の62%を占めた。値下がり銘柄数は552。33業種別騰落率は30業種が上昇、3業種が下落。プラスセクター上位は医薬品、機械、金属製品、その他金融、情報・通信、水産・農林など。下位は石油・石炭、ゴム製品、小売など。マイナスのセクターは海運、空運、その他製品だった。
日経平均採用225種は値上がり186銘柄、値下がり30銘柄。プラス寄与度1位はソフトバンク<9984>で+16円、2位は決算発表直前のファナック<6954>で+7円。マイナス寄与度1位はホンダ<7267>で-3円、2位はソニー<6758>で-1円未満だった。
メガバンクはみずほ<8411>1.1円高、三菱UFJ<8306>4.2円高、三井住友FG<8316>35.5円高。野村HD<8604>は2.9円高。日経新聞にトヨタ<7203>、マツダ<7261>、富士重工<7270>の4~9月中間期の営業利益が最高益を更新するという業績観測記事が載った。営業利益1.3兆円と予想されたトヨタは106円高、マツダは6円高、富士重工は9円高。しかし、「フィットHV」の5回目のリコールで役員報酬一部返上の事態にまで発展しているホンダは43.5円安と逆行安した。
パナソニック<6752>は6円高。選択と集中を進める「住宅と自動車」の住宅部門のパナホーム<1924>は、消費増税の影響が想定以上に大きく戸建てが伸び悩み4~9月中間期と通期の業績見通しを引き下げ10円安だった。東芝<6502>は6.2円高。しかしソニーは15円安。セイコーエプソン<6724>は4~9月中間期の営業利益が2.5倍の750億円という業績観測が出たが90円安。日本電産<6594>は売買代金11位で175円高と反発。コネクターのSMK<6798>は4~9月中間期の営業利益が43%減で通期の売上高、営業利益見通しを下方修正し40円安で値下がり率3位だった。オービック<4684>は4~9月中間期の純利益が4.4%増で過去最高になり、三菱UFJ証券が目標株価を引き上げても最後は値動きなし。
新型iPad本日発売。ソフトバンクは139円高、KDDI<9433>は88円高、NTTドコモ<9437>は15.5円高。電子制御横編み機の島精機製作所<6222>は、4~9月中間期の経常利益見通しを25億円から43億円に上方修正。通期も上方修正して73円高。三菱重工<7011>は千代田化工<6366>と共同で洋上水素プラントの実用化に取り組むと報じられ9円高。千代田化工は16円高。川崎重工<7012>は4~9月中間期の最終利益見通しを125億円から181億円に上方修正し売買高12位に入ったが1円安で終えた。鉄建<1815>は4~9月中間期の営業利益見通しを7億円から10億円に上方修正したが7円安だった。
東邦亜鉛<5707>は4~9月中間期の経常利益を26億円から36億円、純利益を14億円から19億円に上方修正し19円高で値上がり率5位。ヘルスケア関連では、シスメックス<6869>は4~9月中間期の営業利益を160億円から201億円に上方修正し115円高。リボミック<4591>は後場に核酸医薬「アプタマー」を利用したiPS再生医療技術を開発すると発表し一時ストップ高寸前まで行ったが結局15円安だった。