【日経平均】225種の上昇6銘柄のみ335円安の超・全面安

2014年10月16日 21:31

 15日のNYダウは173ドル安で5日続落。一時は460ドル安まで下げ、噂のカタストロフ「ヒンデンブルグ号大爆発」がついに来たかと思わせた。NASDAQは11ポイント下落。自動車燃料ではなく飛行船の水素に火をつけたのは経済統計で、8ヵ月ぶりに減少した小売売上高はウォルマートの通期業績の下方修正とともに「個人消費王国アメリカ」の黄昏を思わせ、13ヵ月ぶりにマイナスに転じた卸売物価も追い討ちをかけて景気の先行きに悲観的な見方がひろがる。ゴールドマンサックスは2014年後半のGDP予想を下方修正した。ウォルマートは3.6%も下落。インテルは好決算効果も一夜限りで2.6%下落。終盤買い戻されたものの5日で約850ドルも下げ、アメリカ市場は疾風怒濤。「ゴルディロックスと3匹のクマ」などとメルヘンチックなことを言っていた数ヵ月前の平和な日々がなつかしい。16日朝方の為替レートは一時105円台前半まで円高が進んだドル円は106円近辺、ユーロ円は135円台後半と、リスクオフで日本円が買われていた。

 CME先物清算値は14670円。NY市場の原油先物価格が2年4ヵ月ぶりに80ドル台まで下落して商品市場も軟調になる中、日経平均は268.36円安の14805.16円で始まる。TOPIXは1201でスタート。ほぼ寄り高ですぐさま14700円台に下落し、午前9時台は時々14700円を割り込み9時32分に14672円まで下げる。中国は7~9月GDPの発表前で様子見ムードなのか上海市場も香港市場もマイナスで始まる。それでも10時台後半になると14700円台後半の時間帯が多くなったが、前引けは14736円だった。

 後場は黒田日銀総裁の無期限緩和を示唆した発言を受けて前引け水準よりも高く再開し、14800円の少し下で値動きして時々14800円にタッチするが、取引開始早々の高値14805円を抜けそうで抜けないところが限界。為替はドル円は106円台前半、ユーロ円は136円前後でほぼ安定的に推移していた。しかし日経平均は午後1時40分頃から息切れして水準を下げ、終盤にはまた14700円を割る時間帯が出たが、大引け前に少し上昇して終値は335.14円安の14738.38円で反落した。日中値幅は135円。TOPIXは-28.17の1195.50。売買高は30億株、売買代金は2兆7647億円と多かった。

 値上がり銘柄は83しかなく、値下がり銘柄は1737で全体の94%を占めた。全セクターが1%を超える下落をみせた超・全面安だったが、それでも下落幅が小さかったのは繊維、化学工業、医薬品、食料品、卸売、ゴム製品など。大きかったのは鉱業、海運、空運、石油・石炭、水産・農林、倉庫などだった。

 日経平均採用225種は値上がりがわずか6銘柄、値下がりが218銘柄でこれも超・全面安。プラス寄与度は同率1位が花王<4452>と富士フイルムHD<4901>でともに59.5円高で+2.34円。3位が日本曹達<4041>で+1円。4位はカシオ計算機<6952>、5位は旭化成<3407>、6位はコマツ<6301>で、それぞれ+1円未満。マイナス寄与度1位はソフトバンク<9984>で-28円、2位はファーストリテイリング<9983>で-24円だった。

 メガバンクも証券も自動車大手も電機大手もマイナスのオンパレード。みずほ<8411>は5.9円安、三菱UFJ<8306>は18.5円安、三井住友FG<8316>は109円安、野村HD<8604>は16.6円安、トヨタ<7203>は111円安、ホンダ<7267>は132円安、マツダ<7261>は66円安、富士重工<7270>は63円安、ソニー<6758>は60円安、日立<6501>は18.6円安、シャープ<6753>は11円安、東芝<6502>は14.4円安、東京エレクトロン<8035>は240円安、アドバンテスト<6857>は43円安、TDK<6762>は120円安、日東電工<6988>は109円安。前日に業績見通しの下方修正を発表したジャパンディスプレイ<6740>はストップ安の80円安で年初来安値を更新し値下がり率2位になっていた。