【日経平均】ファナックに足を引っ張られ97円高どまり

2014年10月27日 20:18

 総務省はSIMロックの解除を2015年5月発売の端末から義務化と報じられ携帯大手3社はNTTドコモ<9437>20円高、KDDIはビッグデータ分析サービス参入という報道もあり売買代金9位に入り113円高で年初来高値更新。ソフトバンク<9984>は42円高。「SIMフリー」の優位がなくなるせいか、今年前半よく買われた格安スマホ関連は日本通信<9424>が19円安、IIJ<3774>が7円安、フリービット<3843>が29円安と売られた。

 ファナックは24日に4~9月中間期決算を発表。営業利益84.8%増、純利益88%増で過去最高益を更新。中間配当を前期の76.8円から144.69円に大幅増額した。営業利益が63%増の2680億円、純利益が67%増の1851億円で過去最高益という通期業績見通しは9月25日に上方修正したばかりで据え置き。期末配当は未定。しかし、4~6月期に比べ7~9月の受注高が伸びておらず下期が不安という重箱の隅をつつくようなあら探しをされ4日ぶりに反落し売買代金5位ながら805円安で値下がり率17位。日経平均の足を強く引っ張っていた。

 ミネベア<6479>は4~9月中間期の営業利益が85%増の240億円前後という業績観測が出て14円高。DMG森精機<6141>は前場に通期の営業利益見通しを130億円から140億円に上方修正し、市場予測を上回る増益になり53円高だった。非正規、派遣社員を正社員として直接雇用する新制度を10月から導入した川崎重工<7012>は人件費増を嫌気され売買高11位ながら7円安。水処理の栗田工業<6370>はドイツの化学品メーカーのBKジューリニから水処理薬品関連事業を約342億円で買収と発表し18円高。同社にとって過去最大のM&Aになる。

 4~9月の国内建設受注は官公庁の発注が大きく伸び前年同期比で2.9%増だった。東急建設<1720>は通期営業利益見通しを27億円から39億円に上方修正し55円高で値上がり率6位。1967年にその道路工事部門が独立した東急道路と世紀建設が1982年に合併した世紀東急工業<1898>は、通期経常利益見通しを32億円から41.4億円に上方修正。減益幅が12.5%に縮小し65円高で値上がり率5位。どちらも東急グループで東急建設は建築、世紀東急工業は土木が中心。

 鉄鋼セクターは業種別騰落率3位と好調。新日鐵住金<5401>は売買高6位で4.9円高、神戸製鋼<5406>は同9位で4円高。JFEHD<5411>は6円高だった。JSR(旧・日本合成ゴム)<4185>は後場に4~9月中間期決算を発表し営業利益は0.5%増益。その通期見通しは5.4%増で中間配当、期末配当とも前期から1円増配し年間40円とした。同時に500万株上限の自社株買いも発表すると株価は急伸し114円高で値上がり率11位に入った。アジュバンコスメジャパン<4929>は24日に4~9月中間期決算を発表し、経常利益は従来予想の4.6億円から35.4%減の3.4億円に落ち込み、通期の経常利益見通しを30%減益に下方修正して100円安で値下がり率3位だった。

 アメリカの子会社がワクチン受託製造のケイロン・バイオセラピューティクス(テキサス州)を買収と報じられた富士フイルムHD<4901>は売買代金3位で103.5円高。炭疽菌など危険度の高い感染症向けの製造技術を持つ企業。アメリカで4人目の患者が出てWHOはエボラ出血熱の患者数が1万人を突破と発表。厚生労働省のエボラ出血熱対策専門家会議は未承認の「アビガン」の国内での投与を認めた。日本エアーテック<6291>は127円高で値上がり率4位、アゼアス<3161>は176円高だった。

 H2Oリテイリング<8242>は24日に4~9月中間期の営業利益見通しを44億円から58億円に上方修正し33円高。イズミヤとの経営統合関連費用の計上が10~12月期以降に繰り越しになり、純利益見通しを20億円を125億円に引き上げた。通期予想は据え置きだが、阪神百貨店、阪急百貨店でタイガースの日本一セールが実現すれば上方修正? 阪神阪急HD<9042>は17円高だった。