前週から風雲急を告げるドラッグストア業界では、ココカラファイン<3098>が4~9月中間期と通期の業績見通しを下方修正し248円安で値下がり率4位。消費増税の反動減が長引き天候不順が影響したという小売業で頻繁に聞かれる理由。医薬品卸の東邦HD<8129>は4~9月中間期の営業利益を増益の65億円から減益の26億円に下方修正し、SMBC日興証券がレーティングを引き下げ203円安で年初来安値を更新し値下がり率1位。理由は薬価の改定と、薬価が低い後発医薬品の市場への浸透だった。
「かっぱ寿司」のカッパ・クリエイトHD<7421>が東京市場に嵐を呼ぶ。10時にコロワイド<7616>が1048円でTOBをかけると発表すると、株価がそれより高かったので急落しカラ売り規制発動ではおさまらず東証は一時売買停止措置まで講じる騒ぎになり81円安で値下がり率7位。コロワイドは37円高。カッパに業務提携解消を決議され〃フィアンセ〃元気寿司<9828>はTOBに応じて〃手切れ金〃をもらってお別れ。でも、かっぱ寿司だけが相手じゃないことに気づいて元気を出して16円高。振り出しからまた始めればいい。チャンスは何度でも訪れてくれるはず。と思えば後場に新カップル誕生。半導体専門商社のマクニカ<7631>と富士エレクトロニクス<9883>の経営統合が発表され、東証はまたもヤボな売買停止措置をとったがすぐ解除。マクニカは145円高、富士エレクトロニクスは22円安だった。
オリエンタルランド<4661>は755円の大幅高で上場来高値更新。決算内容が市場予測を下回っても「去年は開業30周年のアニバーサリー・イヤーだったから」で許してもらえるのはファナックと大違い。筆頭株主の京成<9009>も32円高で年初来高値を更新した。航空測量業務を行うので空運セクターに属するパスコ<9232>は4~9月中間期の業績見通しを下方修正し、40円安で年初来安値を更新し値下がり率2位だった。
ネット・コンテンツ関連では、24日に1~9月期決算を発表したバリューコマース<2491>は7~9月期の経常利益が20%の大幅減益では53円安で年初来安値を更新し値下がり率6位。経路検索サイトの駅探<3646>は4~9月中間期の経常利益見通しを1.4億円から2.3億円に上方修正。前年同期比11.8%増益で24円高。ガンホー<3765>は1~9月期の営業利益が約1割増の750億円前後という業績観測を好感され12円高。「パズドラ」人気は衰えない。日本エンタープライズ<4829>は社内限定の対話アプリを開発と報じられストップ高の80円高で値上がり率2位。前週も子会社がゲームアプリ「ひっぱれ!ネコPingプラネット」を配信開始すると買われており4日続伸。コロプラ<3668>の「黒猫」「白猫」といい、ゲームユーザーはやっぱりネコが好き?
新興市場は日経ジャスダック平均は0.16%上昇したが、東証マザーズ指数は0.20%下落。ミクシィ<2121>は120円高。直近IPO銘柄のオプティム<3694>は400円安で上場後初黒星を喫した。
この日の主役は東京電力<9501>。「東電再建のカギ」と言われた柏崎刈羽原発の再稼働の安全審査は進まず、地元自治体も慎重姿勢を崩さず先が見えない状態だが、原発再稼働や電気料金の再引き上げがなくとも通期で2期連続の大幅単独経常黒字1250億円程度を計上する見通しと報じられた。会社側は「決定したものではない」と発表。決算発表は31日。朝方から買いが先行し56円高と大幅上昇し値上がり率3位、売買高1位、売買代金2位で、時価総額が大きいので電気・ガスセクターを業種別騰落率トップに押し上げた。日経新聞朝刊の世論調査では原発再稼働について「進めるべきではない」は56%、「進めるべきだ」は29%。福島第一原発では廃炉に向けて東芝や三菱重工<7011>が2015年度から放射線量が高い場所の除染にロボットを投入するという話題もあったが、本格化したばかりの廃炉作業は今後30~40年、21世紀半ばまで続くことを忘れてはいけない。(編集担当:寺尾淳)