スマートフォン(多機能携帯電話)の普及率はどんどん上がり続けているが、しかしそれにともない支払わなければいけない金額に不満を持つユーザーの数も増えている。確かにスマートフォンは便利なものであり、もはやそれなしには生活することはできないという人も多いことだろう。しかしその一方で、その便利さとかかる費用を比べた時に、「高い」と感じる人も少なくない。そうした人は再びガラケー(従来型携帯電話)に戻ったり、また大手3キャリア以外の様々な異業種企業から販売されている「格安スマホ」に乗り替えたりしている。
そうした状況の中、29日に楽天<4755>が格安スマホ事業に参入するとの発表を行った。通信事業を行っている傘下の子会社「フージョン・コミュニケーションズ」を通じて11月に格安スマホの販売を開始する模様。楽天によれば、台湾のメーカーが開発した端末をメインにインターネットで販売を行い、大手通信会社の通信回線を使用することで、月にかかる利用料金を2000円程度に抑えたいとしており、こうして月にかかる利用料金の安さによりユーザーに強く訴求したい考えだ。
楽天により販売される格安スマホの詳細は、ASUS製の最新端末「ZenFone(ゼンフォン)5」で、こちらはSIMカードと一緒に販売される。端末の価格は税抜きで2万6400円で、利用料金は月額1250円から。通信速度や容量に応じて2960円のプランなど4つのプランの中から選ぶことができるという。インターネットで受付を開始し、11月8日より注文者に届けられる。
格安スマホについては、これまでも家電量販店のビックカメラ<3048>や、大手スーパーのイオン<8267>、そして不動産賃貸仲介のエイブル<8872>なども販売を行っており、携帯会社以外の様々な異業種が参入をはたしている。そして今回、楽天の参入が発表されたわけだが、これにより、今まで以上に格安スマホを巡る争いは熾烈さを極めそうな気配であり、またこれまで以上に異業種からの参入傾向が強まりそうだ。(編集担当:滝川幸平)