30日、KDDI<9433>は2014年3月期の連結決算を発表。それによれば、純利益は前期比33%アップの3220億円であった。11年3月期の2551億円を上回る結果となり、3年ぶりに過去最高を更新することとなった。また従来の予想であった3180億円から上振れした。
米アップルのスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」の販売や、また通信料収入の増加が寄与したものとみられる。売上高に相当する営業収益は前期比18%アップの4兆3336億円で、本業のもうけを示す営業利益は前期比29%アップの6632億円であった。スマートフォンと固定通信をセットで契約した際に割引が行われるサービスが好調に推移。また前期から連結子会社化したケーブルテレビ大手のジュピターテレコム<4817>も増収に寄与した。
またKDDIは同日に、15年3月期の連結業績予想を発表。それによれば、本業のもうけを示す営業利益は前年比10.1%アップの7300億円と、過去最高の見通しを示した。スマートフォンと固定通信のセット割引が好調なことから、引き続きデータ通信収入が増加すると見込んでいる。この予想が実現することとなれば、00年にKDDIが誕生して以来、14期連続の増益であり、また2期連続での2ケタ成長となる。
売上高に相当する営業収益、また最終利益に関しても過去最高を更新することを見込んでおり、営業収益は前年比6.1%アップの4兆6000億円、最終利益は前年比31.7%アップの4240億円という予想を示している。
また、携帯電話の新規契約数から解約数を引いた純増数は、前期の281万件から減少し、265万件になると予想している。フィーチャーフォン(従来型携帯電話)からスマートフォンへの切り替えが鈍化していることや、競争環境などを考慮し数字を減少させた。ARPU(月間電気通信事業収入)は4250円と、前期の4200円から上昇すると予想している。このうちデータ通信収入は3220円から3440円に増加するとの見通しを示している。
KDDIは今後、一人で複数の端末を保有する「マルチデバイス化」を進めるとしており、通信料のみならず、付加価値サービスによっても収入を増加させる計画だ。(編集担当:滝川幸平)