鹿児島県議会は7日の臨時議会で「九州電力川内原発付近のプレートで地震活動の活発化が観察でき、事故が起こってしまえば日本全体が世界の核廃棄処分場にされてしまうため、川内原発の廃炉を求める」との陳情や川内原発周辺の活断層調査を求める陳情、川内原発1号、2号機再稼働反対を求める陳情、川内原発再稼働に当たり30キロメートル圏内の全自治体の同意を得ることを求める陳情など、ことごとく委員会審査結果(不採択)通りに、自公などが賛成し、30件を超える陳情すべてを不採択とし、「川内原発1号機、2号機の1日も早い再稼働を求める陳情」を委員会審査結果(採択)通り、自公などの賛成で採択した。この陳情には県民連合、共産党などは反対した。
県議会は「新規制基準に基づく国内初の再稼働に向けた判断を行った」とし「原発の安全性、再稼働判断について国民、地方公共団体に対し、国が前面に立って明確、丁寧な説明を行い、理解を得るよう取り組むこと、再稼働にかかる地元同意の範囲について国において明確な基準を示すこと、将来的に原子力に依存しない経済・社会構造の確立をめざすこと」などを盛り込んだ意見書を決議。衆参両院議長や関係閣僚あてに出すこととした。
一方、県議会が再稼働に向けた判断をしたことを受け、鹿児島県知事の伊藤祐一郎知事は再稼働に同意。同意の主因を「県議会が再稼働に賛成する陳情を採択した」「事故が起こった場合、国が責任をもって対処する考えが明らかになった」などをあげた。県議会が再稼働判断を後押しした格好。過酷事故が発生した場合、県議会が後押しし、国が責任を負うと約束したからと言われそう。原発再稼働に反対する陳情は数の力でことごとく却下された。一方、菅義偉官房長官は知事の同意を受け「再稼働に向けた取り組みが大きく前進した」とした。(編集担当:森高龍二)