10日は中国の10月の生産者物価指数(PPI)、消費者物価指数(CPI)、12日は英国の10月の失業率、ユーロ圏の9月の鉱工業生産指数、アメリカの9月の卸売在庫、13日は中国の10月の都市部固定資産投資、鉱工業生産、小売売上高、ドイツの10月の消費者物価指数(CPI)確報値、フランスの9月の経常収支、10月の消費者物価指数(CPI)、アメリカの10月の財政収支、14日は香港の7~9月期の域内総生産(GDP)、フランスの7~9月期の国内総生産(GDP)速報値、ドイツの7~9月期の国内総生産(GDP)速報値、ユーロ圏の7~9月期の国内総生産(GDP)速報値、10月の消費者物価指数(CPI)確報値、アメリカの10月の小売売上高、輸入物価、11月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値が、それぞれ発表される。
11日は中国の「光棍節(独身者の日)」。アリババが仕掛けて今や「ネット通販の日」と化し、1日の商品配達件数が中国全土で1億件に迫る勢いだという。10~11日はAPEC首脳会議(中国・北京)、12~13日はASEAN首脳会議(ミャンマー・ネピドー)、15~16日はG20サミット(オーストラリア・ブリスベーン)が開催される。13日はインドネシアと韓国で中央銀行が政策金利を発表。13日はイエレンFRB議長がFED(連邦準備制度)・ECB主催のイベントで講演する。14日はEU財務相理事会がブリュッセルで開かれる。
アメリカ主要企業の決算は、11日はD.R.ホートン、12日はシスコシステムズ、JCペニー、メーシーズ、13日はコールズ、ウォルマート・ストアーズ、アプライド・マテリアルズ、ノードストロムが発表する予定。
10月31日の日銀の「ハロウィン緩和」以後、前週の為替レートはドルもユーロも最大約5円も円安方向に振れ、マーケットの風景は一変した。「黒田さんの突然の贈り物」を一番喜んだのは前週、NYダウが史上最高値を3回も更新したアメリカだったが、日本はというと、めでたさも中ぐらいかな秋の夕暮れ。6日の後場には突然、「好事魔多し」の〃魔〃がして先物主導で日経平均を急落させた。それを見て「去年の5月23日の大暴落の悪夢の再来かと思った」「需給はまだ悪いままで病巣は根深いようだ」と思った人がいたかもしれないが、下げたのはその日の後場の半日限りで、翌7日の取引開始時にはケロッと16900円台を回復し、直後に6日の急落前の前引け値まであと58円まで迫っていた。そこに昨年5月23日との違いがある。
東京市場の需給は着実に回復している。それを、週末金曜日の日経平均終値が14532円だった10月10~17日の週と、16413円だった10月24~31日の週の東証発表のデータを比べて見てみよう。
「投資部門別株式売買状況(二市場)」を見ると、10月10~17日の週までは日銀、GPIF、個人の「三銃士」が〃宿敵〃海外投資家と全面対決する構図だったが、10月24~31日の週には個人が悪役、海外投資家が味方に入れ替わっていた。個人は3874億円の買い越しから8276億円の売り越しに変わったが、海外投資家は4076億円の売り越しから5363億円の買い越しに変わっている。海外投資家の買い越し額は、その前の週の257億円に対し20.8倍という激増ぶり。投資信託は買い越し額を1590億円から121億円に減らしたが、信託銀行の買い越し額は1894億円から2143億円に増えている。
「気まぐれ」「逃げ足が速い」と言われながらも海外投資家が買い越しなのは心強い。大局的にみれば、6日の「ゲリラ急落」は日銀サプライズであわてて買い上がった海外投資家が、手持ちのポジションを「ちょっと調整しておこう」と動いたと解釈することもできるだろう。なぜなら半日限りで終わったからで、為替市場の円安基調もしっかり維持されており、今週も海外投資家による「日本買い」の基本路線は変わらないだろう。
信用取引の需給のほうは、10月17日に3兆495億円だった信用買い残は10月31日には2兆7623億円まで2872億円減少し、10月17日には5.61倍だった信用倍率は、10月31日は4.27倍まで低下している(「二市場信用取引現在高」一般信用と制度信用の合計)。10月半ばには兜町では悪魔の言葉「追証」もささやかれていたが、日経平均が信用で崩されるリスクはすっかり低下した。