日本共産党の志位和夫委員長は8日、九州電力川内原発の再稼働に伊藤祐一郎鹿児島県知事が同意したことで、政府も薩摩川内市に続いて、鹿児島県も同意したお地元の同意は得られたとしていることに「川内原発30㌔圏内には9自治体あるが、再稼働に同意したのは薩摩川内市だけ。いちき串木野、日置両市議会は同意が必要な地元に加えるよう要求し、姶良市議会では再稼働反対と廃炉を要求している」と現況提起し「これで地元の同意とは到底いえない。福島の教訓を忘れた再稼働への暴走は許せない」と政府などの対応を強く批判した。
社会民主党の吉田忠智党首も、日置市やいちき串木野市の議会が同意の必要な地元に加えるよう求めた意見書を可決するなどを取り上げたうえで「大飯原発訴訟では福井地裁が原発から250キロ圏内の原告に人格権を認め、運転の差止を命じた」など、当然、30キロ圏内の自治体すべてを同意が必要な地元にし、対応すべきと政府を批判した。
福島みずほ副党首も「鹿児島県の伊藤知事は原子力規制委員会により安全性が確保されることが確認されたと考えていると説明するが、原子力規制委員長は安全基準をクリアしているということであって安全性が確保されているとは言っていない旨を発言している。安全性の担保など誰もしていない」と批判した。
又市征治幹事長は「再稼動に賛成の陳情は商工団体などから出された1件のみであるのに対し、否決された反対陳情は31件にも上り、地元住民との合意形成が整っているとは思えない。伊藤知事が同意を表明したことは極めて拙速」とした。そのうえで「今年5月、福井県などの住民が関西電力大飯原発3・4号機の運転差し止めを求めた訴訟で福井地裁は原発から250キロ圏内の原告に『具体的な危険があり人格権が侵害される』と人格権を認め、運転の差止を命じた。この判決を踏まえれば今回同意を得た『地元』の範囲は十分とはいえない」と県や政府は地元同意について、形式的な地元でなく、実質的な地元を同意対象にすべきとしている。(編集担当:森高龍二)