消費増税の影響で暗雲が覆う、4~9月の国内新車販売

2014年10月29日 08:18

AQUA

4~9月期累計国内新車販売で唯一10万台超を記録した「トヨタ・アクア」。累計6位のカローラまでがHVかラインアップにHVを持つ車種だ

 国内自動車メーカーが本年9月の生産・販売速報値を一斉に発表した。結果は、自動車の国内生産・販売の回復が遅れていることを示す。

 トヨタなど乗用車メーカー8社が27日まとめた9月の国内生産台数は3カ月連続で前年実績を下回った。この9月の生産台数は国内8社合計で、前年同月比96.7%、79万9984台だった。トヨタなど5社が前年割れだ。4月の消費増税後の国内新車販売が低迷している。

 消費増税後でも、4~6月は増税前の納車が間に合わなかった受注残が登録・販売を下支えした。しかし、7月以降は、その蓄えも底をつき前年割れが続いている。メーカーによっては、今年度下期の生産台数を減らす動きもあり、国内生産の本格回復は望めそうもない状況といえる。

 結果、日本自動車販売協会連合会によれば、4~9月の国内新車販売台数は8社計で前年比3%減、226万台。これは各社が年初に発表した年間販売計画の45%。2014年度の新車販売台数は、東日本大震災の2011年以来、2年ぶりに500万台を割り込みそうだ。ホンダは今週から、埼玉製作所狭山工場で金曜日に操業を止めて生産調整を行なうという。

 国内生産の回復が遅れているもうひとつの理由は輸出の減少だ。9月の8社の輸出台数は前年同月を4%下回った。4月以降の半年間でも、206万4454台と5.3%減。為替相場は円安に振れているものの、長引いた円高期に各社が海外に生産をシフトした結果、輸出は増えにくく、円安でも自動車輸出が伸びないというジレンマに陥っている。

 今年に入りホンダ、マツダがメキシコで新工場を稼働。日産でも北米向けクロスオーバーSUV「ローグ」を昨年10月に米工場に移管。そのため九州工場で生産を減らした。

 なお、4~9月の国内新車販売台数でトップはトヨタのハイブリッド車(HV)「アクア」(10万4340台)で、唯一の10万台超え。また、6位のカローラまでがHVかラインアップにHVを持つ車種だ。(編集担当:吉田恒)