【日経平均】7~9月期GDPの1.6%減ショックで517円安

2014年11月17日 20:17

 コンデンサーのエルナー<6972>の発行済株式数の26.5%を取得する資本業務提携を発表した太陽誘電<6976>は52円安。エルナーは5円安。32円安の遠藤照明<6932>は英国の照明販売会社など2社を約63億円で買収と発表。現在1割未満の海外売上高比率を2017年3月期までに2割程度に高めたいという。

 コマツ<6301>は14日に2000万株、300億円上限の自社株買いを発表したが14円安。全株式を2015年3月に消却する。2015年春までにヨーロッパでごみ処理プラントの設計技術者、建設技術者を約2割増員して400人にすると報じられた日立造船<7004>は15円安。岩谷産業<8088>は12円高と逆行高。14日に燃料電池車向けの水素の価格を1キログラム当たり1100円、走行距離1キロ当たり10円と発表した。HVとほぼ同じコスト水準。すでに尼崎市と北九州市に水素ステーションを開設済みで、2015年度中に東京都内など20カ所に建設を計画している。東燃ゼネラル石油<5012>は1~9月期決算を発表し売上高9%増、最終損益は89億円の赤字。12月期通期の純利益を470億円から260億円に下方修正して10円安。原油安で在庫評価損がふくらんでいる。

 東レ<3402>はボーイングから1兆円分の炭素繊維を受注したと報じられ33.5円高で年初来高値更新。繊維セクターをこの日唯一のプラスに押し上げた。75円安の大塚HD<4578>は大塚製薬、大塚食品の自動販売機事業を新会社の大塚ウエルネスベンディングに集約すると発表した。12月期通期の純利益を25億円下方修正したDIC<4631>は5円安だった。

 伊藤忠商事<8001>はインドのLPG大手イージス(ムンバイ)と提携し、その子会社に4割出資すると報じられたが32.5円安。セブンイレブン・ジャパンが2015年度に1000億円を投資し過去最高の1700店のコンビニ店を開くと報じられたセブン&アイHD<3382>は83円安。5年連続で出店数は最多を更新し、2017年度に国内店舗数が2万店を超える見通し。2015年6月に東京・新宿三丁目に最大級の「新宿本店」を開くと報じられたラオックス<8202>は1円安だった。1~9月期の純利益20%増と発表したすかいらーく<3197>は7円高。

 東映<9605>は、4~9月期の純利益は20%増で従来予想を18億円上回り、通期では12億円上方修正して8%減の60億円の見通しを発表して3円安。第一生命<8750>の4~9月期決算は純利益が2.6倍で過去最高。通期見通しは経常収益、経常利益を上方修正してともに増益に転換したが、純利益は据え置きで84円安だった。T&DHD<8795>の4~9月期決算は経常利益は1%減だったが純利益は29%増と好調。それでも通期見通しを据え置いて49.5円安。

 新興市場も不振で、日経ジャスダック平均は0.43%下落、東証マザーズ指数は1.53%下落した。サイバーダイン<7779>は、脳卒中や脊髄損傷で足が不自由になった患者のリハビリに使う装着型ロボット「医療用HAL」の販売承認申請をアメリカ食品医薬品局(FDA)に行って10円高だった。

 この日の主役は14日に4~9月期中間期決算が出揃ったメガバンク。株価はみずほ<8411>は4.6円安、三井住友FG<8316>は84円安だったが、三菱UFJは決算と同時に発表した年間配当2円増配と1億8000万株、1000億円上限の自社株買いが好感されて13.9円高と健闘した。メガバンク3行の最終利益は三菱UFJは9%増益だったが、みずほは17%減、三井住友FGは9%減。貸出金利の高い海外で収益をうまく確保できたかどうかで差が出た。三菱UFJは2013年に買収したタイのアユタヤ銀行やアメリカで利益を稼ぎ、貸出金利低下や前年度は好調だった証券子会社の減益、投資信託販売の反動減などで厳しくなっている国内の収益環境をカバーできた。(編集担当:寺尾淳)