深刻化する詐欺的投資トラブル 国民生活センターが警鐘

2014年11月19日 12:27

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国民生活センターは今年9月、増加する詐欺的投資による被害拡大を防ぐため「高齢者悪質商法110番」を実施した。株価や地価の上昇を背景に投資ブームが加熱する中、高齢者が違法な投資話にのせられて多額の被害にあうケースが増加しているのだ。

 国民生活センターは今年9月、増加する詐欺的投資による被害拡大を防ぐため「高齢者悪質商法110番」を実施した。株価や地価の上昇を背景に投資ブームが加熱する中、高齢者が違法な投資話にのせられて多額の被害にあうケースが増加しているのだ。

 同センターのまとめによると、相談は未公開株や社債、ファンドといった詐欺的投資トラブルが多く、その他光回線やプロバイダ等の通信契約、有料を謳ったWEBサイトからの架空請求が目立つ。契約してしまった金額は平均で1,390万円。既に支払ってしまった金額の平均は1,560万円と大変高額になっている。

 また、身内のトラブルを装い金銭を搾取しようとするオレオレ詐欺も一向にその数を減らす気配は無い。
 
 埼玉県警は今年10月、オレオレ詐欺と思われる電話が掛かってきた男性から捜査協力の申し出を受けたが、人員不足を理由に断っていたことを明らかにした。男性は犯人と見られる男から電話があった後、その内容を不信に思い鴻巣署へ連絡。その際、いわゆる「引っかかったふり作戦」による協力を申し出た。しかし、同署は犯人との接触場所として東京都内が指定されたことなどにより、限られた人員では男性の安全を確保することが難しいと判断。結局この申し出は断られることとなった。被害拡大を食い止めるには、現状の捜査力では不足しているということがあらためて浮き彫りになった。

 一方、詐欺の被害は高齢者だけの問題ではない。今年東京都が実施した「若者のトラブル110番」には2日間で127件の電話相談が持ちかけられ、その内容のほとんどが架空・不当請求やマルチ、投資DVD販売といった詐欺的商法に関するものであった。

 被害額は30万円以下のものが半数以上を占めるが、中には100万円以上の不当な契約を結ばされているケースもあり、そのために消費者金融から多額の借金をしているという相談もあった。若者の知識不足につけこもうとする悪質な業者や詐欺集団が、特に都心部を中心に活動を活発化させている。

 詐欺の手口は日々巧妙化し悪質になっている。警察の対応も後手に回っているのが実情だ。若者から高齢者まで詐欺集団のターゲットにならない者はいない。詐欺の被害から身を守るためには、自分もいつ狙われてもおかしくはないという高い防犯意識を持つことが大切だ。(編集担当:久保田雄城)