若年層も要注意! 拡がる詐欺・トラブル

2014年07月20日 22:49

 警察庁の発表によると昨年のオレオレ詐欺の被害総額は約170億円。注意喚起のため国や当局も必死になっているが、依然として大きな効果はあがっていない。

 オレオレ詐欺の被害者となるのは主に高齢者だが、その一方で近年、若者をターゲットにした詐欺やトラブルも急増している。

 特に最近、大学生が被害に巻き込まれるケースが多いのが投資DVD問題だ。アベノミクスにより日経平均株価が大幅上昇したこともあり、「投資のコツ教える」といった名目で高額のDVDを学生に売りつける手口が頻発している。あるケースでは56万円もする投資DVDを、親友だと思っていた友人から売りつけられたというケースも。元々DVDを販売している業者は、購入した学生が更に他の学生にもDVDを販売した場合、10万円の手数料を支払うと持ちかけていた。DVDの内容が株式投資にはほとんど役に立たない詐欺的な商品だったばかりか、マルチ商法としての側面もあると考えられる。このようなトラブルに関する相談が消費生活センターには昨年度だけで380件も寄せられており、これは一昨年度の2.4倍にものぼるという。

 また、投資が絡む詐欺やトラブルとしては、FXや先物取引の運用に関するものも急増している。「凄腕のトレーダーがいる。あなたも出資すれば確実に儲かる」などの文句で勧誘する手口で、実際に最初の数ヶ月は利益や配当金を得られるものの、しばらくすると運用に失敗したという理由で元金をほとんど取り戻せないまま逃げられてしまうというものだ。若い世代は投資や金融商品のトレードに対し、ネガティブなイメージを持っている人が少ない。過去に自分も投資を行った経験がある場合、「上手い人がやれば儲かるのではないか」と安易に考えてしまう人も多く、このような手口に嵌ってしまうケースが頻発していると考えられる。他にも、デート商法と呼ばれる恋愛感情を利用した悪質商法や、インターネットオークションに関する金銭トラブル、ワンクリック詐欺など若者がターゲットとなる手口には枚挙に暇がない。詐欺やトラブルは決して高齢者だけが狙われているわけではない。今後は若年層に対してもトラブルの実態や、回避する方法を社会全体で啓蒙していくことが必要だろう。(編集担当:久保田雄城)