【日経平均】大臣発言で下げても日銀砲で逆転し56円高

2014年11月21日 20:17

 サクサHD<6675>は売買高3位、売買代金7位と商いは活発でも利益確定売りの嵐で22円安になり値下がり率1位と急停車。これで区切りがつきそう。遺伝子検査などを手がける企業と提携して個人の遺伝子情報を活用した健康管理サービスを始めるオムロン<6645>は40円高。データをもとに同社製健康機器を使った健康づくりプログラムを提案する。シチズンHD<7762>は約30億円を投じて主要部品を生産する新工場を長野県に建設して腕時計の生産能力の増強に乗り出すと報じられ10円高。日本製腕時計は訪日外国人観光客に大人気。「Gショック」もそれで売れているカシオ計算機<6952>は今期の年間配当を25円から30円に増やすが、アマダ<6113>とともに日経新聞紙上で配当と自社株買いで株主への利益配分を増やすモデルケースと紹介されていた。利益の9割を株主に還元するカシオ計算機は48円高、全てを還元するアマダは12円高。「ROE経営」が叫ばれる中、上場企業全体の株主配分額は今年10兆円に迫るという。

 造船への大規模投資を再開し水素関連銘柄にも仲間入りした川崎重工<7012>はSMBC日興証券がレーティングと目標株価を引き上げ11円高で4日続伸し年初来高値を更新。SMBC日興証券はクボタ<6326>の目標株価も引き上げ1円高。屋外作業機械メーカーのやまびこ<6250>は、自動芝刈り機を製造するベルギー企業の第三者割当増資を約6億8700万円で引き受け子会社化する材料で300円高になり値上がり率16位だった。内装工事のインターライフHD<1418>は2月期通期の営業利益見通しを3.6億円から4億円に上方修正し、期末配当予想も3円から4円に増額修正して12円高。

 自民党は、法人税の実効税率引き下げとともに、消費税再増税前でも子育て支援や介護の充実を総選挙の政権公約に明記すると報じられた。子育て支援関連のピジョン<7956>は20円高、JPHD<2749>は1円高、西松屋チェーン<7545>は26円高で年初来高値を更新した。東証、名証で2部上場の半導体・電子部品商社の萩原電気<7467>は、東証、名証から1部への指定替えを承認され97円高で年初来高値更新。1時に全国の食品スーパーの既存店売上高が発表され0.7%増で6ヵ月連続のプラス。一方、前日発表の10月の全国コンビニ既存店売上高は1.1%減で7ヵ月連続マイナスだった。セブン&アイHD<3382>は18円安、ローソン<2651>は70円安、ファミリーマート<8028>は15円高。スカイマーク<9204>は後場、JAL<9201>との業務提携の話が飛び出しストップ高の50円高で値上がり率1位。JALは35円高で年初来高値更新。「孤高のエアライン」スカイマークは2015年2月からの共同運航実施を目指し、ひとりぼっちはやめた。

 ゲーム・コンテンツ関連でひときわ輝いたのが売買高11位、売買代金3位と買われたマーベラス<7844>。日経新聞朝刊にディズニーキャラクターが登場するスマホゲームを12月から配信開始するニュースが載り264円高で値上がり率2位。野菜や穀物を育てて遊ぶ女の子向きゲームで、成長戦略の女性を活用した農業再生につながるか?

 新興市場は、日経ジャスダック平均は0.08%下落し3日続落したが東証マザーズ指数は1.01%上昇。直近IPO銘柄のFFRI<3692>は東証1部の携帯販売代理店最大手のティーガイア<3738>と「FFRI安心アプリチェッカー」の販売で業務提携契約を締結し810円高。ティーガイアは9円安だった。マザーズのカイオムバイオサイエンス<4583>は公募増資などで最大22億4915万円を調達すると発表し、発行済株式数が8.2%増加する希薄化を嫌気され62円安。新興市場の「疑惑の銘柄」の種は尽きず、エナリス<6079>は社内調査で会計処理に疑義のある取引が他にもある可能性が判明して46円安。第三者による調査委員会を設置した。娯楽機器販売のJALCOHD<6625>は、証券取引等監視委員会が、売上高を過大に計上するなど有価証券報告書に虚偽の内容を記載したとして課徴金を科すよう金融庁に勧告する方針を固め、3円安で年初来安値を更新した。

 この日の主役は「レジャー」。日本テレビHD<9404>はサントリーHDの子会社でスポーツクラブ大手のティップネスを買収すると報じられたが29円安。ティップネスに約29%出資する丸紅<8002>の保有株式も買収して完全子会社化し、総額で約350億円を投資する。丸紅は0.3円高。「レジャー白書2014」によるとフィットネスクラブは前年比約2.9%増で数少ない成長業態。IR(統合型リゾート施設)推進法案は解散で宙に浮いたが、セガサミーHD<6460>はカジノが公認されている韓国・仁川市の永宗島で、同国で運営実績があるパラダイスグループと合弁でカジノを中核とするIR施設「パラダイスシティ」を着工し22円高。仁川国際空港の近くで、平昌冬季五輪前年の2017年5月にオープンさせ、開業後3年で売上高600億円、営業利益100億円を目指すという。(編集担当:寺尾淳)