【日経平均】底堅くても頭は抑えられ4日ぶり反落24円安

2014年11月26日 20:20

 日清オイリオG<2602>とJ-オイルミルズ<2613>は1月5日から家庭用と業務用の食用油を約8~10%値上げすると発表し日清オイリオGは値動きなし、J-オイルミルズは4円安。ダイドードリンコ<2590>は2~10月期決算を発表し150円高で年初来高値更新。夏の天候不順で販売数量が5%減少し売上高は3%減ながら自販機の販売価格引き上げで営業利益2%増でその額が通期見通しも上回ったのが買い材料。純利益は4%減。1月期通期見通しは据え置き。エバラ食品工業<2819>は前日、自社株110万株の公募処分、最大16.5万株の売出しなどで最大約23億円を調達し設備投資にあてると発表。87万株を12月16日付で消却する。12月17日付の東証1部への指定替えの承認、その記念配5円の実施も発表し178円高で年初来高値更新。年間配当予想は32円。東証1部に来たら荏原<6361>と間違えないように。

 高島屋<8233>はヤマト運輸と組み、新宿店と大阪店で訪日外国人向けに店舗から空港までの商品配送サービスを12月20日から始めると発表したが4円安。ヤマトHD<9064>は6円高で年初来高値を更新した。イオン<8267>は、ダイエー<8263>が午前中の臨時株主総会で1月1日付のイオンによる完全子会社化を承認し11.5円高。ダイエーは1円高だった。ファミリーマート<8028>は使用期限切れ鶏肉問題を受けて中国の取引企業を約30社に半減させると発表して25円高。多くは日系企業という。家電販売店のノジマ<7419>は81円高で12日連騰。ニトリHD<9843>は約250億円で大型物流施設を埼玉県幸手市に新設し2017年末に稼働させると報じられたが360円安で値下がり率9位。前日発表された10月の外食売上高は全店ベースでも1.2%減で5カ月連続マイナス。ファーストフードは4.1%減、パブレストラン・居酒屋は2.2%減だったがファミリーレストランは2.9%増。その草分けのすかいらーく<3197>は41円高で年初来高値を更新していた。

 JR東日本<9020>は東日本大震災で被災し運休中の山田線・宮古-釜石間の運行を三陸鉄道に移管し、地元協力金30億円を支払う方針を示し86円安。復旧費用約210億円のうち140億円も負担する。三陸鉄道は4月に全線復旧済み。名古屋鉄道<9048>はユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債(CB)を発行し400億円を調達すると発表し28円安で値下がり率7位。調達資金は車両新造、駅の安全性改良、賃貸不動産の取得に使うという。海運、航空の原油安による増益効果が日経新聞で報じられ、1バレル=80ドルなら営業利益70億円増になるというJAL<9201>は値動きなし。日本郵船<9101>が売買高7位に入り7円高、商船三井<9104>が売買高14位に入り3円高など海運セクターは業種別騰落率2位になった。

 共働き世帯の「小1の壁」を打破し女性の就労を促進するために、小学生を夜遅くまで預かり勉強の手助けもする学童保育施設が求められている。ベネッセHD<9783>は老人ホームとの複合施設も含め学童保育施設を今後15ヵ所まで増やすと報じられ20円高。市進HD<4645>も拠点増設と報じられたが値動きなし。潜在需要は約40万人あるという。葬儀施設を運営するティア<2485>は公募増資(新株発行)や売出しで最大約12億円を調達すると発表し希薄化懸念で36円安になり値下がり率8位。調達資金は200ヵ所が目標の葬儀場の新設、改装にあてる。

 ネット・コンテンツ関連では「音楽」「アニメ」のデジタル配信で新しい動き。サイバーエージェント<4751>とエイベックスGHD<7860>が、ストリーミング型定額制音楽配信を手がける新会社「AWA」を12月1日に折半出資で設立と発表しサイバーエージェントは130円高。エイベックスは講談社、集英社、小学館と2015年1月に新会社「アニメタイムズ」を設立し、アニメ作品をデジタル配信サービス向けに提供する共同事業を開始するとも発表し55円高だった。

 新興市場は堅調で日経ジャスダック平均は0.28%上昇、東証マザーズ指数は1.58%上昇。ソフトウェア・サービス<3733>は10月期通期の営業利益見通しを23.5億円から31.28億円に上方修正。本社ビル新築移転記念配当を10円から30円に増額し、年間配当予想を70円から90円に増額修正して265円高。10月期決算なら消費増税前の駆け込み需要はフルに効き、新築祝いのお裾分け。

 新規IPOが1件。名証セントレックス市場に日本PCサービス<6025>が新規上場した。パソコンやデジタル家電などのネットワーク対応機器の設定、トラブル解決のサービスを提供する。公開価格480円に対し11時10分、67.7%高い805円の初値がついた。終値は955円の高値引けと上々のデビュー。

 この日の主役は「アルミ」。トヨタが自動車ボディへのアルミの採用を増やすという記事が火をつけた。「レクサス」はモデルチェンジ時にバンパーやドアなども鋼材からアルミに変更するという。アルミ関連銘柄は、UACJ<5741>は売買高17位に入り29円高で値上がり率7位、日軽金HD<5703>は売買高11位に入り11円高で年初来高値更新、大紀アルミニウム工業所<5702>は32円高で年初来高値を更新し値上がり率3位、アルコニックス<3036>は126円高で年初来高値を更新し値上がり率11位と活発に買われ、非鉄金属セクターは業種別騰落率トップになった。自動車へのアルミの利用はアメリカではフォードが進めており、日本ではかつてオールアルミボディのスポーツ車「NSX」を生産し、オールアルミ製エンジンもつくっていたホンダのお家芸だが、この日はトヨタにお株を奪われていた。(編集担当:寺尾淳)