トヨタ、安全運転支援技術を17年までに全車搭載

2014年11月28日 08:01

 自動車を運転するものにとって、快適な車内空間や燃費性、また精度の高い走りなども重要だろうが、しかし何よりも大切なのはそのドライバーの命を守る「安全性」ではないだろうか?いくら車内が快適で燃費性が高く、優れた走りをみせる車であろうとも、この部分がおろそかにされていたのでは、その車を「一流の車」と呼ぶことはできないように思う。そうしたドライバーの安全を守るための取り組みの一つとして、トヨタ自動車<7203>は26日、二種類のセンサーで人や車体を検知し衝突を避ける安全運転の支援技術を開発し、2015年より導入するとの発表を行った。

 この安全運転の支援技術は「トヨタ・セーフティー・センス」というもので、大量生産により価格帯を下げ、17年までには日本やアメリカ、そしてヨーロッパで販売するほぼすべての乗用車でドライバーが選択できるようにするとのこと。

 「トヨタ・セーフティー・センス」の最大の特徴は、従来のレーザーや車載カメラなどによる検知技術は、単独ではそれぞれ距離や形の認識能力にメリット・デメリットがある。しかしこの「トヨタ・セーフティー・センス」ではそれら二種類を組み合わせることで精度を高めた。また「トヨタ・セーフティー・センス」には小型車向けの「C」と中大型車向けの「P」が用意されている。

 このうち「C」は距離の認識に優れたレーザーと、形状認識に優れたカメラを併用し、時速10~80キロで作動し、前方の車などと衝突の危険が生じると警報によってそれをドライバーに知らせ、自動ブレーキが作動しスピードがダウンする。また車線をはみ出しそうになった際に警報で知らせてくれる機能や、対向車に合わせて前照灯の向きを自動で調整してくれる機能もある。

 そして「P」はさらに認識能力の高いミリ波レーダーとカメラが併用されており、「C」に搭載されている機能以外にも、横断中の歩行者に対して自動ブレーキが作動する機能や、前方の車と一定の車間距離を保ちながら走ることのできる機能などもある。

 こうした自動でドライバーの運転をサポートしてくれ、「事故のリスクが減る」「ぶつからない」機能を搭載した自動車は、今後もどんどんと増え続け、やがては主流となることだろう。しかし気をつけなければいけないことは、こうした機能に頼り過ぎてドライバー自身の注意が散漫になることだ。やはり最後に事故を防ぐのは、人間の注意力なのだということを忘れてはいけない。(編集担当:滝川幸平)