三菱ふそうトラック・バスとUDトラックスは11月27日、国内市場向けの新型トラックを共同開発したと発表した。小型トラックをベースにしながら中型車並みの積載容量を確保したモデルで、三菱ふそうが「キャンターEX」として12月に発売する。
今回の共同開発車は2014年6月にトラックのOEM(相手先ブランドによる生産)供給について基本合意に基づいたもの。車両の共同開発についても合意しており、それを具体化させたトラックとなる。
UDトラックスは埼玉県に本拠を構える大型バスや大型トラックなどの大型車専業メーカーで、2010年2月に旧社名である「日産ディーゼル工業」から社名を変更した大型車を専業とする自動車会社。現在は世界最大の大型車メーカーであるボルボ社傘下にある外資系企業だ。旧社名で分かるように、かつては日産自動車が最大の株主だった。が、現在資本関係はないものの、業務提携は続いている。
一方、三菱ふそうトラック・バスは、三菱重工業の大型車製造部門としてスタート。1970年の三菱自動車工業が独立後は、同社の大型車部門だった。2003年に大型車部門が分社化されて誕生したのが、三菱ふそうトラック・バスである。現在は独ダイムラー・グループの傘下にある。
なお、現在三菱ふそうからUDトラックスへは、小型トラックのOEM供給を2014年9月26日から開始しており、三菱ふそう「キャンター」をUDトラックス「カゼット」として供給している。
今回の新型車開発について、三菱ふそうのアルバート・キルヒマン社長・CEOは、「この新型トラックは、新たな顧客層をターゲットとしており、また既存のお客様に対しても、最も経済的な手段で、より物流効率を高めることを可能にします。当社は、お客様のニーズの実現に専念して参ります。そして本日の発表が、当社の国内事業を更により良くするとともに、さらに成長させる長期的なコミットメントであると証明しています」と述べた。
また、UDトラックスの坂上優介社長は、「OEM供給からさらに発展した両社のパートナーシップにより、お客様のニーズにきめ細かく対応する車両開発への取り組みが実現しました。当社はお客様の事業効率向上に貢献できるよう、今後とも一層の努力を重ねていきます」とした。
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