トヨタ、グループ内事業の再編を発表

2014年12月01日 08:30

 開発と生産を一本化し、さらにグループとしての競争力強化をはかるため、トヨタ自動車<7203>はグループ内で生産などが重複していたブレーキシステム、ディーゼルエンジン、マニュアルトランスミッション(MT)事業を、デンソー<6902>、豊田自動織機<6201>、アイシン精機<7259>にそれぞれ集約させると発表。トヨタ自動車はこうした事業統合によりグループ全体の効率的な生産体制の構築を目指す。そして部品事業の開発力を強めたい考えだ。

 28日、トヨタ自動車はグループ部品大手のデンソー、豊田自動織機、アイシン精機が行っているグループ事業の再編を発表。ブレーキシステム事業はアイシン精機の子会社である専業のアドヴィックス(愛知県刈谷市)に集約させ、ディーゼルエンジン事業は豊田自動織機へ集約、そしてマニュアルトランスミッション事業はアイシン精機の子会社である専業のアイシン・エーアイに統合させる。こうして各事業の専門性を高めることにより、競争力を高めたい考えだ。特にブレーキ事業においては、国内外で自動ブレーキなどの安全運転技術の開発競争が激化しており、こうした競争に打ち勝つためにもこれまで重複していた事業内容を整備し効率化をはかる。

 ブレーキシステム事業が集約されるアイシン精機の子会社アドヴィックスは、トヨタ自動車、デンソー、アイシン精機、住友電気工業<5802>の4社の共同出資により2001年7月に設立された会社で、16年1月以降、アイシン精機とデンソーが手掛けブレーキシステム事業を移管する。

 ディーゼルエンジン事業についても、トヨタ自動車はこれまで豊田自動織機と共同で開発と生産を行ってきており、13年の国内生産量はトヨタ自動車が5万基、豊田自動織機が38基。今後は開発人員を順次豊田自動織機に移し、さらに新規に立ち上がるエンジンを対象に生産も移管していく考えだ。

 マニュアルトランスミッション事業も開発人員をアイシン精機の子会社アイシン・エーアイに移す方針で、13年の国内生産量はトヨタ自動車が愛知県の衣浦工場で13万台、アイシン精機が68万台を生産。16年をめどに衣浦工場の生産がアイシン精機に移管される。(編集担当:滝川幸平)