ネットの選挙利用、今衆院選も低調? 各党のネット・SNS利用の明暗を探る

2014年12月09日 20:10

画・ネット選挙利用、今衆院選も低調? 各党のネット・SNS利用の明暗を探る

衆議院選挙の投票日が12月14日と迫ってきた。関心度や投票率の低さも懸念されているが、そこには思うように広まらないネット選挙の現状も影響している。各党・候補者によって、ネットやSNSを有効活用できている場合とそうでない場合の明暗も見えつつある。

 衆議院選挙の投票日が12月14日に迫ってきた。関心度や投票率の低さも懸念されているが、そこには思うように広まらないネット選挙の現状も影響しているようだ。2013年5月に公職選挙法が一部改正され、ネット上で一部選挙活動が可能となった昨年の参院選に続き、今回の衆院選は2度目のネット活用の機会となっている。各党候補者は、facebookやTwitterなどSNSを使用し政策を訴えたり、Youtubeやニコニコ動画・生放送、Ustreamなどを通した演説の動画配信・中継を行ったりしている。

 昨年の参院選時には初のネット選挙に「若者を中心に関心が高まるのでは」と期待されたが、空振りに終わった感が否めない。選挙後のアンケートでは「ネットを参考にした」という投票者の数は10%ほどに留まったというデータもある。今回もそうした状況は大きく改善されてはいないようだ。

 大きな理由としては、候補者側が有効活用できていない面が大きい。ネット選挙自体に積極的でない候補者も多く、また、「今日はどこどこで演説します!」などの報告に終始しているアカウントも多い。一方で、フォロワーや「いいね!」を増やし有効活用できている候補者は、しっかりと政策や自身の考えを発信し、また自分が「どうしてそうしたいのか、どういった背景があって発言しているのか」を明確にしている。自分や党の報告ツールとしてではなく、有権者とのコミュニケーションツールとして自覚しているかどうかが分かれ目だろう。

 主要政党のウェブサイトやSNSを見ると、自民党のTwitterがフォロワー7万人とダントツ。安倍首相の動向を中心に動画なども織り交ぜ、上手く活用している。公明党は「軽減税率」のワードをとにかくリツイート。上手な活用法には見えないが、一点突破で分かりやすくはある。民主党は、公式サイト頭に動画や民主党ニコニコチャンネルへのリンクを貼り付けアピールするも、Twitterフォロワー9千人と、第一野党ながら少ない数字で苦戦が伺える。

 維新の党公式Twitterは自らフォローはせず、フォロワー数も3千弱。ツイート数も少ない。一方、次世代の党公式Twitterはフォロー・フォロワーともに1万越えで、ツイート数も多い。一方的な発信に留まるやり方と、フォロー返しを徹底し、有権者とコミュニケーションを図るやり方でくっきり違いが出ている。

 共産党は公式サイトを見ただけでは、SNSなどへのリンクが分かりにくく、その時点で出遅れ感がある。社民党も同様で、吉田忠智党首メインの割に、サイトで押し出しているのは福島みずほ参議院議員のTwitterアカウントと、ちぐはぐさが否めない。

 今の所ネット選挙において有権者が積極的に利用し、機能しているのは、ボートマッチサイトの方だろう。ネット上で各政党や候補者の主張をまとめ、投票者個人に合った支持者を検討できるサイトだ。投票へのハードルを下げる役割を果たしている面もある。

 もう期日前投票に行かれた方も多いかもしれないが、まだ時間のある方は、各党のネット情報や、ボートマッチサイトから、もう一度情報を捉え直してみてはいかがだろうか。(編集担当:久保田雄城)