企業の先行投資の先行きを示す機械受注統計、その10月の統計結果が内閣府によって11日に発表された。前月に大型案件の受注があったことの反動から、「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整値)は前月比6.4%ダウンの7780億円という結果であった。こうして前月を下回るのは5ヶ月ぶりのこととなる。基調判断は前月と同じ「緩やかな持ち直しの動きがみられる」のまま据え置いた。
統計結果を業種別に見てみると、電気機械や石油製品などの製造業は前月比5.5%ダウンの3438億円という結果であり、2ヶ月ぶりにマイナスとなった。電気機械や石油製品・石炭製品、パルプ・紙・紙加工品からの原動機やコンピューターなどの受注が減少したことが影響した模様。しかし化学工業からの機械の受注が増加した以外にも、情報通信機械からの半導体製造装置の受注も増加した。そして通信などの非製造業は前月比7.5%ダウンの4426億円という結果であり、3ヶ月ぶりのマイナスとなった。通信業からのコンピューターなどの受注が減少。また不動産業向けの運搬機械なども減少した。しかし運輸・郵便業からの鉄道車両などの受注が増加した。そして9月には3件あった100億円以上の大型案件が10月にはなく、内閣府はその反動から今回の前月比6.4%ダウンという結果につながったと分析している。
そして10~12月期については、内閣府は受注額が前期比0.3%ダウンで推移するとの見方を示しており、11月と12月が前月比3.1%アップをそれぞれ達成すれば、その見方通りに推移することとなる。
また、「船舶・電力を除く民需」以外の外需は、前月比4.6%ダウンの9109億円という結果であり、これで2ヶ月連続でのマイナスとなった。8月に大幅増となった反動がまだなお続いているとみられている。そして官公需は前月比4.8%アップの2688億円という結果であり、これで2ヶ月連続でのプラスとなった。
内閣府は業種別の結果が増加と減少のほぼ半分であることや、3ヶ月移動平均がプラスとなっていることなど理由に、基調判断を前月の「緩やかな持ち直しの動きがみられる」のまま据え置いた。(編集担当:滝川幸平)