内閣府が13日、9月の機械受注統計を発表した。それによれば、民間設備投資の先行きを示す「船舶・電力を除いた民需」の受注額(季節調整値)は、前月比2.9%アップの8316億円であったことがわかった。電気機械業や石油・石炭製品などの製造業からの受注が好調に推移したことが寄与し、これで4ヶ月連続でのプラスとなった。
変動の大きい船舶と電力を除いた民需は8316億円のうち、電気機械業や石油製品などの製造業からの受注が12%アップし、主な機械メーカー280社が製造業から受注した金額は前月比12.0%アップの3637億円であり、2ヶ月にプラスに転じた。また非製造業においても通信業や情報サービス業からの受注増加が寄与して前月比1.7%アップの4783億円であり、こちらは2ヶ月連続でのプラスであった。この結果を受けて内閣府は、「緩やかな持ち直しの動きがみられる」という基調判断を据え置いた。
そして7~9月の受注総額は、前期比5.6%アップの2兆4110億円であり、製造業からの受注増加が寄与したことにより、2四半期ぶりにプラスとなった。ただし、製造業は前期比12.6%アップの1兆523億円であるものの、非製造業は前期比1.2%ダウンの1兆3737億円であり、それぞれ好不調がはっきりとわかれる結果となった。
そして10~12月の見通しについては、受注総額が前期比0.3%ダウンの2兆4049億円で、製造業は前期比2.7%ダウンの1兆243億円、非製造業は前期比1.2%アップの1兆3907億円としている。非製造業が回復するものの、製造業は2四半期ぶりに減少するとの見通しがなされている。
機械受注統計は、企業がメーカーに設備用機械を発注した時点で統計を取るため、設備投資の先行指標とされている。
4ヶ月連続でのプラスとなったものの、10~12月の見通しを見る限り、まだまだ「景気は回復した」という風に考えるのは早いようだ。しかし7~9月の見通しを上回る勢いで推移したことを考えると、この10~12月の見通しについても上振れる可能性も十分にあるとの見方もなされている。(編集担当:滝川幸平)