自公で衆院議席の3分の2 民主代表が落選

2014年12月15日 11:43

 衆議院議員選挙が14日実施され、与党が衆院議席の3分の2を超える326議席を獲得したほか、野党第一党の民主党・海江田万里代表が議席を失った。党内に衝撃が走った。また自民党悲願の憲法改正が大きく現実味を帯びてきた。年明けからの通常国会、安倍政権は絶対的安定基盤に支えられ運営できることとなった。原発再稼働や安保法制見直しなども急ピッチで進むことになりそう。

 今回の選挙、自民党は改選前に比べ2議席減らしたものの291議席。公明党は4議席伸ばし35議席となった。

 一方、民主党は100議席を目指したが、改選前より11議席伸ばすにとどまり、73議席。維新の党は1議席減らし41議席。生活の党は3議席減らし2議席。社会民主党は解散前と変わらない2議席。次世代の党は17議席を失い2議席になった。

 野党で唯一元気だったのは日本共産党で反自民の浮動票を取り込むことにも成功。改選前の8議席から3倍近い21議席に躍進した。このほか衆議院に無所属が8人いる。

 安倍晋三総理は衆院解散当初から選挙争点を「アベノミクス選挙」と名付け、世論を2分する原発再稼働促進の姿勢や集団的自衛権に対する憲法解釈の変更の閣議決定、年明けからの通常国会での安保法制の見直し、政治とカネの問題や議員の世襲制問題などについて、野党に攻め入るスキを与えないまま、選挙運動を展開。選挙も野党連携が出来上がるまでに実施することで計算通りに運んだよう。

 あわせて、今回選挙では2年前の選挙以上に自公連携が徹底していた。自民党候補事務所から「小選挙区は『自民候補』。比例代表は『公明党』と書いてください」と協力を徹底していた。こうした電話要請が自民候補事務所からあったと安倍総裁(総理)の街頭演説を聞く60代女性らが話した。

 ただ、沖縄では4つの小選挙区すべてで自民が敗北。野党候補が勝利し、普天間飛行場の代替施設を名護市辺野古に建設する準備が進む中で、沖縄県知事はじめ、沖縄選出の国会議員が揃って「辺野古移設反対」、そして、沖縄県民の「辺野古移設反対」への思いが現れた結果にどう向き合うのか、辺野古への移設を日米合意のもとで進める安倍政権はかなり慎重な対応を迫られることになる。(編集担当:森高龍二)