トヨタのハイブリッド車(HV)「アクア」がマイナーチェンジした。12月に、ホンダがHVコンパクトセダン「グレイス」をデビューさせHV競争が熾烈ななか、アクアには新グレードとしてクロスオーバーSUVライクな「X-URBAN」を追加した。この最も高額なアクアの外装はなかなかアクティブな印象で、内装は上質感を強調するデザインを採用。また、外板色14色、内装色7色に、「X-URBAN」専用パーツカラーオプションを組み合わせ、174通りのカラーバリエーションを実現したという。
また、SUVっぽい恰好を獲得するために専用サスペンションの採用し、最低地上高を20mmアップさせたのもポイント。専用のフロントグリルやサイドマッドガード、ルーフモールなどの外装部品や16インチ専用アルミホイールを採用するなど、クロスオーバー車のようなアクティブなイメージとした。
内装はブラックを基調とし、合成皮革とファブリックを組み合わせた専用のシート表皮やオーナメントパネルを採用。さらに、上質で洗練された配色とした「アクセントシルバー」とファッショナブルな配色とした「アクセントオレンジ」の2色を専用内装色として設定、スタイリッシュなイメージを強調したという。
そのハイブリッドモデル「X-URBAN」はJC08モード燃費で世界最高とはならず、33.8km/リッターだ。
もっとも、今回のマイナーチェンジでもアクアの世界最高燃費37.0km/リッターは、最低グレードの燃費スペシャルグレード「L」が達成するのみ。他の上級グレード車は、何らかのオプションを選択すると33.8km/リッターに落ち込む。この辺りのトリックはマイナーチェンジ前と一向に変わっていないトヨタの常套である。
アクアを好燃費で選択しようと思っている人は、その辺りに注意が必要なのは以前と同じ。カタログを正確に読み取ろう。
そこには、こう書かれている。「メーカーオプション装着およびメーカーパッケージオプション装着により、車両重量が1090kg以上の場合、33.8km/リッターとなります」とある。37.0km/リッターの世界最高燃費は車重1080~1050kgkgで計測・達成している。
脚注には、「SRSサイドエアバッグ&SRSカーテンシールドエアバッグ、シートヒーター&排気熱回収器、寒冷地仕様、175/65R15タイヤ用スペアタイヤ(リヤバンパーリンホース付)をメーカーオプション装着した場合、“それぞれ”+10kg増加します。LEDヘッドランプパッケージ、ツーリングパッケージ、オーディオパッケージをメーカーパッケージオプション装着した場合、“それぞれ”+10kg増加します」とあるのだ。
つまり、アクアでメーカーオプションを“ひとつでも”選ぶと世界最高燃費モデルから陥落するというわけだ。(編集担当:吉田恒)