国会議員が党派を超えて構成する「原発ゼロの会」事務局長の阿部知子衆院議員は17日「選挙期間中にも九州電力川内原発再稼働のプロセスが進み、選挙が終われば途端に(青森県で)建設中の電源開発(Jパワー)大間原発の安全審査が申請された」として「川内原発周辺自治体の懸念や大間対岸の函館の差し止め訴訟など、歯牙にもかけない」と怒りを隠せない。
阿部議員は「住民の不安や危険に関して全く考えることをしない政府に対し、対峙できる政治の流れを全力で創りたい」と原発問題で一層、政府に対峙し、方針変更を迫っていく考えだ。
阿部議員は選挙期間中も「原発ゼロ」を前面に掲げ「再生可能エネルギーの飛躍的拡大と省エネ徹底を押し進め、原発ゼロへの確かな工程表を実行させる」と訴えてきた。
大間原発は2021年の稼働をめざし、電源開発が建設中で、燃料はウランのほかに使用済み燃料を再処理するときにでるプルトニウムを混合したもの(フルMAX)を用いる。
これに対し、半径30キロ圏内の函館市(人口約27万5000人)は「フルMAXを採用する大間原発に事故が起きれば炉心に大量のプルトニウムを内蔵することから、福島第一原発に事比較にならないほど深刻に市民の生命、身体、暮らしが脅かされるほか、自治体としての機能を喪失させられるなど、途方もなく甚大な被害が生じることは明らか」として事業者の電源開発と原発を許可した国を相手に工事差し止め訴訟を起こしている。
原発を重要なベースロード電源と位置づけるとして福島原発事故前の路線に戻ったともいえる安倍政権と脱原発、原発ゼロ勢力との国会論戦が国会で本格化しそうだ。(編集担当:森高龍二)