東芝<6502>は12日、株式会社日水コン、月島機械株式会社、月島テクノメンテサービス株式会社、有限会社沖縄小堀電機とのコンソーシアムで宜野湾浄化センターにおける再生可能エネルギー発電事業についての基本協定を沖縄県と締結したと発表した。今後、事業内容の検討を進め、事業契約を締結し、2016年からの事業開始を目指す。
この事業では、宜野湾市・沖縄市・浦添市をはじめとする3市2町2村の下水集約処理を行う流域下水道施設である宜野湾浄化センターにおいて、下水汚泥の消化過程で発生する消化ガスを使って発電する。発電能力は、1460kw(最大)、年間の発電量は約640万kw。発電した電気は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を利用して、1kwhあたり39円で売電する予定だ。汚水の処理過程で発生する消化ガスを化石燃料の代替として用いることで、流域下水道注から発生するCO2排出量を約20%削減するという。
同事業は、沖縄県内では初の官民連携による消化ガスの発電事業である。沖縄県と民間事業者が連携し、再生可能エネルギーの有効利用を推進する東芝は、コンソーシアムの代表企業として発電事業の運営、電気工事、電気設備などを担当。日水コンは設計・施工管理支援、月島は機械工事および機械設備、月島メンテは機械設備のメンテナンス、沖縄小堀は、設備の運転管理を担当する。
今回の事業名は、「宜野湾浄化センターにおける再生可能エネルギー発電事業」、事業場所は、沖縄県宜野湾市伊佐3丁目12番1号、年間推定発電量は約640万kw (一般家庭の約1800世帯分)、年間CO2削減量は約4400t、事業期間は、2016年10月1日~2036年9月30日の予定。施設には、365kwのガスエンジンを4台設置する。
消化ガスとはバイオガスともいい、汚泥から発生するメタンを主成分とするガスである。発電などへの有効活用が期待される再生可能エネルギーの一つだ。しかし、これまでは、エネルギーの発生量が少なく、工場の中でなどの使用が多かった。(編集担当:慶尾六郎)